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2023/02/28

【農業関係者必見!その①】長野県の農業に関する将来予測のカギ ~気候変動の影響~

「気候変動ってなんだ?」「30年後の長野県の農業ってどうなっちゃうの?」
TVやニュース、ネット上でも”気候変動”という言葉を聞かない日は近年ありません。
気候変動は農業に大きく直結しており、我々農業関係者にとっては大問題です。
気候変動の影響により、様々な気象災害が激甚化している昨今ですが、
ココ長野も例外ではありません…
通常、台風の影響は沿岸部に大きな被害をもたらすものですが、
2019年に発生した台風19号は、地理上では海から最も離れた長野県で
甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しいことと思います。
こうした気候リスクを事前に知っておくことは、生産者の皆様はもちろんのこと、
全ての農業分野に従事する皆様が今後は特に熟知しておく必要があります。

以前、私は開発途上国の気候変動(適応分野)の研究者として活動していましたので
今回は、その一助となるべく長野県の農業が今後辿るであろう将来像を知る
ヒントとなる有益な情報を少しだけお伝えできればと思います!

 

気候変動とは?

それでは、まず気候変動のメカニズムについて簡単にお話しします。
気候変動とは、人間が日々行う経済活動による温室効果ガス(GHG)
排出増加することにより、引き起こされるものです。

地球全体の平均気温は、太陽から地球に放射されたエネルギーが
成層圏に蓄積されたGHGの層により、逃げ場を失ってしまい、
地球の気温が上昇することで、地球温暖化が起きてしまいます。

地球温暖化が起きると、それまでの気候パターンが変化していきます。
海水面の温度が上昇することにより、蒸発した海水が上空に雲を作り、
降水量の増加をもたらします。

一方、地球環境の温度変化によって風の流れが変わり、一部の地域
では降水量が減少する干ばつなども同時に起きてしまいます。

こうして起こる気候変動は、暴風雨や干ばつなどの気象災害を
引き起こす原因となっており、その規模や頻度は大きくなっています。

 

気候変動対策

気候変動対策には2つの対策(※注1)があります。
一つは「緩和」、もう一つは「適応」と呼ばれるものです。

「緩和」とは、気候変動による人間社会や自然への影響を回避するために
温室効果ガスの排出を削減し、気候変動を極力抑制することです。
例えば、石油や石炭を使った発電を減らし、温室効果ガスが排出されない
太陽光発電や風力発電に切り替えることなどのアプローチです。

一方で、「適応」とは、緩和を最大限実施しても避けられない気候変動の
影響に対して、気象災害による人命の損失やインフラが被害を受けること
を軽減する対策のことを指します。例えば、洪水被害を予防するための
インフラの強靭化や、警戒態勢の強化
をするといったようなものです。

 ※注1
  厳密にいうと、国際場裡では「損失と損害(Loss and Damage)」という別の議論
  が先進国・途上国の間で昨今湧き起こっているのですが、非常に複雑で繊細な内容
  であるため、ここでは割愛します。

 

「適応」の全体像

適応は、タイムフレームが長期に渡るだけでなく、その対象となる分野も
広範囲にわたっています。
日本では大きく7大項目(※注2)に分けています。しかしながら、
更に細かく分類していくと、その対象は数百種類に及びます。
農業分野では水稲や野菜、畜産、農業生産基盤など7つに分類されています。

気候変動の影響は地域によって異なるため、国や地方が策定した適応計画
に含まれる各種適応策(例えば、河川改修事業における防災工事など)を
実施していく際には地域ごとに考えていく必要があります。

したがって、適応策の検討を行う場合には地域を熟知している人々
取り組むことが重要となるわけです。

つまり、農業分野の場合でいえば、長年に渡り地域特性や、その変化を
敏感に肌で感じてきた農家の方々が正に中心的な役割となり、
地域を主管する行政の担当者と協働し、自分達が暮らす地域の未来を
描いていく必要があります。

※注2
 課題となっている分野が異なるため、国によって適応の対象は異なります。
 「緩和」は二酸化炭素(CO2)を減らすという明確な解があるのに対して、
 「適応」には無数の課題が存在しており、世界のどこにでも効果のある
 適応策というものが無い点が非常に難しい分野横断的地球規模課題です。

 

気候変動の脅威に対して私達ができること

先ほど「地域を主管する行政の担当者と協働し・・・」と書きました。
「そんな専門的なこと分かるわけないじゃないか!」と思われるかもしれません。

しかしながら、現在はネット上に気候変動の「適応」に関する無料(※注3)のツール
が沢山公開されており、一般の我々でも科学的根拠に基づいた地域の将来予測に関する
数多くの情報やデータを手に入れることが可能です。

その一部の有益なツールをご紹介致します。

※注3
 事前登録やアプリケーションのインストール等が必要なものも一部あります。
 また、英語のサイトも少なくないですが、ネット上の自動翻訳機能を使うことで
 概ね理解可能です。

 

農業の未来を科学的に知るための有益なツール

■FAOSTAT
こちらは、農業に関するデータベースで、国際連合食料農業機関(FAO)
245を超える国と地域の食糧と農業のデータを取りまとめたものです。
1961年からのデータを利用することが可能です。

http://www.fao.org/faostat/en/#data

ClimatView
このツールは、日本の気象庁が世界気象機関(WMO)メンバーから報告
された情報をもとに、世界の気象・気候データを配信しているものです。
長野県を含む日本の各種データは、気象庁が運用を開始した1982年6月以降
のものが利用可能です。

http://ds.data.jma.go.jp/tcc/tcc/products/climate/climatview/frame.php?&s=1&r=0&d=0&y=2019&m=2&e=8&t=0&l=0&k=0&s=1

S8 Down Scaler
こちらは筑波大学などが開発したもので、地域ごとの未来の気候シミュレーションを
確認できます。端末へのインストールなどは必要無く、地域の気候予測ができる
ツールです。
また、年代や土地利用、都市情報などを自由に変更できるだけでなく、平均気温や積雪、
風向風速、降水量などの様々なパラメータを設定できます。

https://s8ds.fkb-japan.com/

GSMaP
衛星全球降水マップ“GSMaP”は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)等が開発したもので、
衛星観測による1時間ごとの世界の雨の様子を閲覧することができます。
農業だけでなく、気象や防災、教育などの多岐に渡る分野で幅広く利用されています。

https://sharaku.eorc.jaxa.jp/GSMaP/index.htm

いかがでしたでしょうか?
こうしたものを活用し、お住いの地域では将来的に一体どのようなことが起こるのか?
ご自身の目で一度確認しておくと、今後の危機に対し様々な備えができると思います。

こちらにご紹介させて頂いた有益なツールはほんの一部です。
もう少し専門的なツールになると、コメや小麦など作物収量の長期的な傾向を予測
できたり、気候変動が作物の収穫量に与える影響などを計算できるものも存在します。

現在、世界中の研究者が気候変動による影響や将来の姿を人々に伝えようと、
こうしたデータベースなどを無料で公開しています。
是非とも、そのほかの便利なツールを色々と調べてみてくださいね!

 

まとめ

こうしたデータを活用し、長野県の農業・自分たちの圃場が
今後どのような影響を受けることになるのか?
そのためにどのような対策をしておかなければいけないのか?
という点について、科学的に説明できる能力を各々が身に付けていくことで、
行政を動かし、地域を変え、我々一人一人の大切な生命を守っていくことに
結局はつながっていくことになります。

とりわけ、行政を巻き込み、動かしていくためには、科学的な根拠を
もとにしたアプローチが非常に重要です。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書(AR6)では、
平均的な結果として、2度の気温上昇に対して、平均降雨量は12%、
台風の平均強度は5%、勢力の強い台風の発生割合は13%も増加する
としています。

直径1,000kmを超えるような超大型の台風が発生する頻度が高くなれば、
当然のことながら長野県内の農業にも深刻な影響を及ぼします。

大切なことは、気候変動に対するアクションを今すぐにでもできることを
我々一人一人が行っていく必要があるということです。

最初は難しい部分もあるかもしれませんが、こうした活動が、
やがて地域を変え、国を変え、そして地球環境そのものを改善していく
ことにつながります。

農業機械化など、農業の生産基盤を支えている一人である我々「農機屋」が
果たす役割も、食料の安全保障や貧困・飢餓の課題解決に大きく直結しています。
耕作面積を増やすことは困難でも、生産効率や品質の向上に資する優良な農機具
を世の中に提供していくことで、こうした課題の本質に迫ることが可能です。
唐沢農機は、今後もこれらの地球規模課題に少しでも寄与していくために
様々な活動を展開していきます。

今後の長野県の農業のあり方にご関心のある方、是非一緒に働きませんか?

 

リクルート

働き方も様々です。

株式会社唐沢農機サービスでは一緒に働いていただける仲間を募集中です。

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