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【徹底解説】作業機付きトラクターで公道を走るには?2019年からの規制緩和と注意点まとめ
皆様こんにちは。サービス担当のフルコシです。
農作業の現場で欠かせないトラクター。以前は、作業機(アタッチメント)を付けたまま公道を走ることは法律で厳しく制限されており、移動のたびに作業機を外したり、軽トラックで別運搬したりといった手間が当たり前でした。
しかし、2019年・2020年の規制緩和により、一定の条件を満たせば「作業機を付けたまま」の走行が可能になっています。便利な世の中になった一方で、「そのまま走って捕まらない?」「免許は何が必要なの?」といった不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、農業機械・交通法規コンサルタントの視点から、最新の法改正の内容と、安全かつ合法的に公道を走るための必須ルールを、実務的なポイントを含めて詳細に解説します。
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1. 導入:トラクターの公道走行、実はルールが変わりました
日本の農業の効率化を推進するため、トラクターの公道走行に関するルールが大きく見直されました。
具体的には、2019年4月に「直装式作業機(ロータリーなど)」、続く2020年1月には「けん引式作業機(ロールベーラーなど)」を装着した状態での公道走行を認める緩和措置が講じられました。それまでは作業機を外して走行するのが原則でしたが、適切な準備と確認を行えば、そのまま圃場間を移動できるようになったのです。
ただし、注意が必要なのは「どんな状態でも自由に走れるわけではない」という点です。灯火器の視認性、車両の寸法、そして運転免許の区分など、守るべき「一定の条件」が細かく定められています。これを知らずに走行すると、思わぬ法令違反に問われるリスクがあります。
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2. なぜ今、注目されているのか?規制緩和のメリットと最新事例
今回の規制緩和は、作業の効率化とコスト削減に直結します。
• 現場の効率化: 作業機を付けたまま移動できることで、「現場での着脱作業」や「別車両での運搬」という重労働とタイムロスが大幅に改善されました。

• 対象となる具体的な作業機:
◦ 直装式: ロータリー、ハロー、ライムソワー、ブロードキャスタ、フロントローダー、ブームスプレーヤ、畔塗り機、播種機など。
◦ けん引式: ロールベーラー、マニュアスプレッダ、バキュームカー、農業用トレーラなど。
• メーカーの対応: 各メーカー「公道走行対応キット」を展開しています。また、既存機向けの後付けキットも販売されており、新旧問わず対応が進んでいます。
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3. 【必須知識】公道走行を可能にする「一定の条件」とは?
公道を走るためには、道路運送車両法の保安基準を満たす必要があります。特に「直装型」と「けん引型」ではルールが異なります。
3.1 直装型作業機(ロータリー等)の場合
• 灯火器類の視認性: 作業機でヘッドランプやウインカー、テールランプ等が隠れないことが必須です。隠れる場合は、作業機の後端などに見えやすいよう増設しなければなりません。
• 40cmルール: 灯火器が見える場合でも、その取付位置が作業機の端から40cmを超える内側にある場合は、作業機の前面両端に「白色」、後面両端に「赤色」の反射器を設置する義務があります。
• 制限標識: 1辺15cmの「倒立正三角形(赤色枠)」の標識を後面の目立つ位置に掲示します。
• かじ取り車輪の荷重(20%ルール): 作業機装着時の安全確保のため、かじ取り車輪(前輪)にかかる荷重が車両総重量の20%以上である必要があります。20%未満の場合はフロントウェイトを装着して調整しなければ走行できません。

3.2 けん引式作業機(ロールベーラー等)の場合
けん引式は「農耕作業用トレーラ」という独立した自動車として扱われます。
• 灯火器の個別設置: トラクター本体のランプが見えていても、作業機側にもウインカー、テールランプ、ブレーキランプ、バックランプ、前部反射器(白色)、後部反射器を設置しなければなりません。
• 後部反射器の形状: けん引式専用の「赤色の正立正三角形(上向きの三角形)」が必要です。
• 安全チェーンの義務: 連結部(ヒッチ)が外れた際の事故を防ぐため、トラクターと作業機をチェーン等の丈夫な装置でつなぐことが義務付けられています。
• 積載物の制限: 農業用トレーラとして走行する場合、積載できるのは「農耕作業に必要なもの」に限定されます。
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4. 知らないと「無免許運転」に?免許区分と寸法の落とし穴
最も注意すべきは、作業機装着後の「合計寸法」による免許区分の変化です。
| 免許区分 | 全長 | 全幅 | 全高 | 最高時速 |
|---|---|---|---|---|
| 小型特殊(または普通免許) | 4.7m以下 | 1.7m以下 | 2.0m以下(※) | 15km/h以下 |
| 大型特殊(農耕車限定含む) | 上記を一つでも超える場合 | 1.7m超 | 2.0m超(※) | 15km/h超 |
(※)安全キャブ・フレームを備える場合、それらを除いた部分が2.0m以下であれば、フレーム等を含めて2.8mまで小型特殊の範囲として認められます。
法的リスクと重い罰則
トラクター単体では小型特殊であっても、幅1.8mのロータリーを付けた瞬間に「大型特殊免許」が必要になります。もし免許がない状態で運転すると「無免許運転」となり、非常に厳しい処分が下されます。
• 無免許運転: 違反点数25点(一発で免許取消)、懲役3年以下または50万円以下の罰金、最低2年間の欠格期間。
• 整備不良: 灯火器類などの不備で走行した場合、違反点数7点、反則金7,000円が課せられます。
なお、けん引式で「車両総重量750kg」を超える場合は、別途「けん引免許(農耕車限定可)」も必要です。
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5. 走行前の最終チェックリスト:ナンバー・標識・ミラー
実際に道路へ出る前に、コンサルタントとして推奨する以下のチェックを必ず行ってください。
• ナンバープレートの確認: 小型特殊(トラクター・トレーラ共に)は、公道走行の有無に関わらず、市町村への届け出と取付が義務です。
◦ 判別ポイント: プレートの分類番号が「9」または「0」で始まるものは「大型特殊自動車」に該当します。
• サイドミラー: 全幅が1.7mを超える場合や、作業機で後方が見えない場合は、左側にサイドミラーの設置が必要です。
• 特殊車両通行許可(幅2.5m超): 作業機を含めた全幅が2.5mを超える場合は、道路管理者への申請が必要です。
◦ 手数料: 経路が複数の管理者にまたがる場合、1車両1経路につき約200円の協議手数料が発生します。
• 外側表示板(ゼブラシート): 全幅2.5m超の場合、28.2cm×28.2cm以上のゼブラシートを前面・後面に設置します。ゼブラ模様が「外開き(ハの字)」になるよう向きに注意してください。
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6. 今後の課題と展望:安全維持とコストのバランス
安全確保と安定性確認
作業機を付けると重心が変化し、転倒のリスクが高まります。
• 速度制限の確認: 日本農業機械工業会(JFMMA)のホームページで公開されている「安定性確認リスト」に掲載されていない組み合わせの場合、運行速度は「15km/h以下」に制限されます。
• 表示の義務: 速度制限や幅の制限がある場合は、機体後面と運転席の両方に「運行速度15km/h以下」「全幅〇.〇m」といった表示を掲示する必要があります。
維持費と保険の戦略的考え方
• 自賠責保険: 車両分類上の「大型特殊(最高時速35km/h以上)」は加入必須。最高時速35km/h未満の「小型特殊」は任意ですが、対人賠償額が億単位になる事故も想定されるため、任意保険やJA共済の「自動車共済」「農作業中傷害共済」への加入を強く推奨します。
• 戦略的資産の入替: 老朽化した機体は修理費がかさむだけでなく、時価額が下がるため車両保険の補償額も目減りします。維持費が負担になり始めたら、廃棄するのではなく、ウルトラファームのような専門業者へ売却し、最新の安全基準を満たした機体へ買い替える「戦略的資産入替」を検討すべき時期です。
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7. まとめ:ルールを守って安全で効率的な農業を
規制緩和によりトラクターの利便性は飛躍的に向上しましたが、それは「寸法の計測」「灯火器の整備」「適切な免許の保持」という自己責任が前提となっています。
1. 実測の徹底: 作業機を付けた状態で、全長・全幅・全高を正確に測ってください。
2. 法規の遵守: 15km/hという速度制限や、反射器・標識の設置ルールを軽視しないでください。
3. 専門家への相談: 不安な点があれば、販売店、地方運輸局、または日本農業機械工業会などの専門機関へ問い合わせましょう。
ルールを遵守することは、あなた自身の免許と生活を守り、周囲への安全を確保する唯一の方法です。正しく機械を運用し、より効率的で安全な農業経営を実現しましょう。
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