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【2025年夏】記録的猛暑を乗り越える!食の未来を支える「耐候性品種」とは?

2025年も早い時期からの「暑さ」に参っていませんか?
皆さんこんにちは。ストア&兼業農家のツチヤです。
前回のブログはこちら→ https://www.karasawanouki.co.jp/nouki_blog/st20250621/
今年の夏も気象庁からの発表による「猛暑になる」という予測に、国内の農業への影響を心配されているのではないでしょうか?長い歴史の中で、過去10年間が最も平均の気温が上がったとも言われ、経済にも大きな打撃を与えています。実際に、2025年6月は過去最高の気温を記録するニュースなど、今からの時代は温暖化や気候変動は、もはや避けられない現実となっています。続く猛暑により、専業農家の経営(生育や作物の収穫高の減少)にも大きく影響を与えています。
こんな時代だからこそ、いままで以上にこの気候変動に立ち向かうための切り札、高温障害に悩む農作物の「耐候性品種」に焦点を当てて、様々な企業の開発背景から今後の展望や策までの情報を、じっくりと掘り下げていきたいと思います。

気候変動に強い「耐候性品種」とは?
私たちが口にするお米や野菜、家畜の飼料となる穀物。これらはすべて、天候に大きく左右されます。しかし、近年頻発する異常気象は、従来の品種では対応しきれない課題を突きつけています。そこで開発が進められているのが、高温や干ばつの発生、豪雨被害といった過酷な環境にも耐えうる耐性をもつ「耐候性品種」です。
これは単に収穫量を確保するだけでなく、品質の維持、さらには農薬や水の利用を抑えることで、持続可能な農業を実現するためにも不可欠な存在となっています。
注目すべき耐候性品種の最前線
今回は、特に注目されている3つの品種にスポットを当ててご紹介しましょう。
- 高温に強い! 食味も抜群の「コ・ノ・ホ・シ」(水稲)
開発の背景と特性
「コ・ノ・ホ・シ」は、兵庫県が開始して約10年の歳月をかけ育種研究を経て開発した、耐高温性と高食味を両立した画期的な水稲品種です。近年の夏の気温上昇により、従来の「コシヒカリ」などでは、高温による白未熟粒(お米が白く濁ってしまう現象)や結実率の低下リスクが問題となっていました。
この品種の最大の特長は出穂後の気温が28、29度の高温下でも整粒率が76・1%と高く、食味も良いところです。
兵庫県の主力品種「キヌヒカリ」の60%以下と比較しても圧倒的です。高温耐性、病気耐性もあり、さらに食味に優れた新品種となっています。
導入状況
2025年秋から本格生産・流通が始まる「コ・ノ・ホ・シ」は、すでに兵庫県を中心に相当数が試験導入を進めています。農林水産省2026年では作付面積1,500ha、2027年以降は全面切り替えを予定するなど、現在の温暖化に向き合った米づくりを行い、転換の時期となっています。
今後の展望
「コ・ノ・ホ・シ」は、日本の高温化地域における安定的な米生産の柱を守るだけでなく、高品質米として海外市場への輸出拡大も期待されています。将来的には、さらなる耐病性や耐水害性を強化した次世代品種の開発や、AIやドローンを活用した精密栽培との連携の重要さにより、その可能性はさらに広がっていくのではないでしょうか。
- 都市農業の救世主? 超早生・コンパクトな超矮性・早生型稲「みずのゆめ稲」
開発の背景と特性
気候変動による高温や水不足、そして都市部での土地不足は、食料生産における深刻な問題です。そこで開発を加速しているのが、わずか2ヶ月で収穫可能な「超矮性・早生型稲」です。これは土がいらないLED水耕栽培による管理で、まさに施設農業の未来を担う品種と言えるでしょう。
植物の高さはわずか15~20cmと従来のイネの5分の1ほどで、省スペースでの高密度栽培を可能にします。播種から収穫までの期間が約60日と大幅に短縮されるため、年間で最大6回の栽培が可能となり、限られたスペースでも高効率な生産が実現できます。さらに、施設内での栽培となるため、高温や水不足といった気候変動の影響を受けません。
今後の展望
「超矮性・早生型稲」は、都市型農業や途上国での食料安全保障に貢献する可能性を秘めています。完全な商品化にはさらなる検証が必要となるが、災害・気候変動・インフラ未整備・戦時下など、さまざまな不安定な環境下での稲作を可能にし、世界的な食料問題に対応する新たな主食生産モデルとして注目されているそうです。
- 高温条件下でも裂果しにくい多収性トマト
開発の背景と特性
近年、極端な暑さや渇水が原因で、農林水産物の収量や品質が不安定化し、価格にも影響を与え、社会生活への影響が深刻化しています。
特に、高温によってトマトの裂果が増加するという問題が顕在化しており、これに対応する品種の開発が急務とされています。
食料安全保障の確保、および「みどりの食料システム戦略」の実現のためには、気候変動に適応し、生産性向上に資する革新的な特性を持つ新品種の開発が不可欠であると認識されています。
「品種に勝る技術無し」という考え方のもと、優れた品種の開発が農業政策事業への貢献に繋がると期待されています。
開発目標と特性
この計画で開発を目指すトマト品種の主な特性は以下の通りです。
・高温条件下においても裂果しにくい特性を持つこと。
•多収性であること。
•(補足的な特性として)果実が一定方向に実り機械収穫し易いこと。
開発・普及の進め方
この革新的な新品種の開発と普及は、以下の戦略的なアプローチで進められます。
•産学官の連携: 農業分野の研究機関(農研機構等)、大学、公設試験場、民間企業が連携し、研究機能の共同利用により効率的に品種開発を行います。
•開発目標の設定: 食料安全保障の確保や「みどりの食料システム戦略」の実現に向けて、政策ニーズに対応した高い開発目標を設定します。
•現場ニーズの反映: 開発段階から、生産現場や実需者のニーズ、品質評価を反映させることで、「求められる品種」の開発を目指します。
期待される効果
これらの取り組みを通じて、気候変動下における食料安全保障を確実なものとし、持続可能な食料システムの構築、そして輸出産業の活性化にも貢献することが期待されています。
比較と全体の評価、そして今後の展望
共通点と課題
今回ご紹介した3つの品種は、いずれも気候変動による高温、干ばつ、豪雨といった環境ストレスへの高い適応力を持つという共通点があります。遺伝子編集やAI育種といった最新技術が開発を加速させており、収穫量の安定化に大きく貢献することが期待されています。
一方で、種子や施設の導入コスト、新たな栽培技術の習得、そして市場でのブランド確立や認知が、普及に向けた共通の課題として挙げられます。

持続可能な農業の未来へ
これらの耐候性品種の普及は、日本の食料自給率の維持や飼料供給の安定化に直結し、食料安全保障の強化に貢献します。また、農薬や水の使用量を削減することで、カーボンニュートラル目標の達成にも寄与し、持続可能な農業への移行を力強く推進するでしょう。
2025年以降は、これらの耐候性品種の普及が本格的に加速する年となります。もちろん、コスト削減や農家教育の強化、地域ごとの特性に合わせた品種改良など、乗り越えるべき課題は残されています。しかし、気候変動という避けられない現実に立ち向かうための強力なツールとして、今後の技術進化と国や地域の政策支援に大いに期待が寄せられます。
唐沢農機サービスとしても、これらの最新技術や品種に関する情報提供はもちろん、栽培技術のサポートなどを通じて、皆様の農業経営を全力で支援してまいります!
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