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2025/11/05

【2025年最新】熊の被害対策完全ガイド!初心者でもできる予防策から国の支援、成功事例まで徹底解説

【2025年最新】熊の被害対策完全ガイド!初心者でもできる予防策から国の支援、成功事例まで徹底解説

2025年度、熊による人身被害者数は2025年9月末時点で108人、死者数は9人と過去最多を記録し、深刻な社会問題となっています。この問題の背景には、単に「山に餌がない」という一時的な理由だけでなく、気候変動、戦後の森林政策、そして過疎化・高齢化といった複数の構造的な要因が複雑に絡み合っています。

本記事では、最新のデータと専門家の知見に基づき、一般の方や農業を始めたばかりの方でも理解できるよう、被害急増の根本原因から、明日から実践できる具体的な対策、さらには地域ぐるみで成功を収めた事例や国の支援策まで、熊対策の全てを網羅的に解説します。

1 なぜ熊は人里に?被害が過去最多になった根本原因を徹底解説

なぜ熊は、これほどまでに人里へ姿を現すようになったのでしょうか。

ここでは、熊が人里へ降りてくるようになった根本的な原因について、わかりやすく解説していきます。

1-1 深刻化する熊による被害の現状

環境省のデータによると、熊による被害は近年、深刻さを増しています。

2023年度(令和5年度): 統計開始以降で最悪の被害を記録しました。

 発生件数: 198件

 被害者数: 219人

 死亡者数: 6人

2025年度: この深刻な傾向は令和7年度に入っても続いており、すでに過去最多の死亡者数を記録しています。

 死亡者数: 12名(10月時点)

 出没件数: 16,213件(4月~8月)

これらの数字は、熊との遭遇がもはや特別なことではなく、私たちの生活圏で起こりうる身近な脅威となっていることを示しています。

1-2 「山に餌がない」だけではない、3つの構造的変化

熊の出没増加は一時的な現象ではなく、森と人との関係が長期的に変化した結果です。主な要因は「気候変動」「人工林の拡大」「里山の崩壊」の3つです。

まず、気候変動により熊の主食であるドングリの豊凶サイクルが乱れ、凶作が頻発。「ナラ枯れ病」によるブナ科樹木の減少も重なり、熊は餌を求めて山を離れざるを得なくなっています。

次に、戦後に拡大したスギ・ヒノキの人工林は実をつけず、光が届かないため下草も育たない「餌のない森」となりました。

さらに管理放棄が進み、熊の生息環境は悪化しています。

加えて、過疎化や高齢化により人と自然の緩衝地帯だった里山が崩壊。藪化した土地は熊が隠れて人里に近づく通路となり、放置された果樹が誘引源になっています。

気候変動、人工林、里山崩壊——この三重構造が出没増加の根本原因です。

1-3 人を恐れなくなった熊の増加

1990年代以降、環境保護への意識の高まりを背景に、過度な駆除に対する懸念から熊の保護政策が本格的に導入されました。これと並行して、社会構造の変化に伴い狩猟者の数も年々減少の一途をたどっています。

これらの複合的な要因が重なった結果、本来であれば自然の摂理の中で個体数が増えすぎないように制御されていた熊の個体数そのものが、近年顕著な増加傾向にあります。

この個体数増加に加え、より深刻なのが「人間への慣れ」です。従来の熊は、過去の人間との遭遇や、狩猟者による経験から、人間を「自身の生存にとって極めて危険な存在」と深く学習していました。しかし、保護政策下で人間との直接的な対立機会が減少し、さらに人里近くに餌となるものが増えたことで、その学習機会が著しく減少しています。

結果として、一部の個体、特に若い世代は人間を「恐れるべき対象」として認識せず、生存競争の激しい山間部から、食料源が豊富な人里へと出没する行動パターンが定着しつつあると考えられています。

2. 明日からできる!個人・地域で取り組む熊の被害対策と成功事例

熊の出没は構造的な問題ですが、個人や地域レベルで実践できる有効な対策も数多く存在します。ここでは、すぐに取り組める基本的な対策から、専門的な手法、そして成功事例までを紹介します。

2-1 【基本対策】熊を寄せ付けない環境づくり

農家がリンゴを収穫している

まずは、熊にとって魅力のない環境を作ることが被害防止の第一歩です。以下を参考に、身の回りの環境を見直してみましょう。

・誘引物の徹底管理

 生ゴミや収穫残しは熊の誘因となるため放置せず速やかに処理し、果樹は被害拡大を防ぐためにも必ず収穫してください。地域住民で連携し、放置果樹の伐採を計画的に進めると共に、倉庫や物置は必ず施錠徹底し、被害を未然に防ぎましょう。

・熊の隠れ場所をなくす

 ご自宅の敷地や農地の周縁部に伸びた藪や背の高い草は、熊の潜伏場所となるため、危険を避けるためにこそ、定期的な刈り払い作業を徹底してください。見通しが確保されることで、万が一の接近を早期に察知し、安全確保に直結します。

・人の存在を知らせる

 山の近くで作業を行う際は、必ずクマ鈴やラジオで音を出し、こちらの存在を遠くまで知らせましょう。特に、熊の活動が活発になる早朝や夕方の薄暗い時間帯は大変危険です。単独での行動をできる限り避けることが重要となります。

2-2 【農業者向け】効果は絶大!電気柵の正しい設置と管理のポイント

畑に電気柵を設置している

電気柵は正しく設置・管理すれば高い効果を発揮しますが、方法を誤ると効果がなくなります。ここでは、初心者がよく失敗する4つの基本ポイントを紹介します。

①アースを正しく設置

 電気柵のショック効果は、アースを通じて回路が成立することで初めて発揮されます。最も効果を高めるためには、湿度の高い場所を選んでアース棒を深く、確実に打ち込みましょう。アースが不完全だと十分な電圧がかかりません。

②漏電を防ぐ

 雑草や木の枝などがワイヤーに触れると、そこから電気が逃げてしまい、電圧が急激に低下します。定期的に広範囲の草刈りを実施し、常にワイヤー周囲をクリアに保つことで、熊に確実にショックを与える高電圧を維持することが重要です。

③ワイヤーの高さは20cmに

 熊の侵入を防ぐには、一番下のワイヤーを地面から約20cmの高さに設定することが非常に重要です。この低さにすることで、熊が掘って下から侵入しようとするのを防げます。逆に高くしすぎると、効果が薄れてしまうため注意が必要です。

④常に通電する

 熊は特定の時間帯だけでなく、昼夜を問わず行動し、いつでも人里に現れる可能性があります。電源を切ることなく、24時間、常に通電状態を維持し続けることが、電気柵による被害防止の基本となります。

トウモロコシ畑や養蜂場など、熊が特に執着しやすい場所では、通常の電気柵から15~20cm手前にもう1本地面に低いワイヤーを張る「二重柵(トリップ柵)」も非常に効果的です。

2-3 【成功事例】官・民・学の連携で被害を激減させた岩手県盛岡市猪去地区

地域ぐるみの成功例として、岩手県盛岡市の猪去(いのさり)地区が挙げられます。2006年の熊大量出没を機に、住民・市・猟友会・大学が連携して被害防止に取り組みました。

年度盛岡市全体 捕獲頭数猪去地区 捕獲頭数
H18 (活動前)2613
H19 (活動後)143
H2082
H21122
H22181
H23100
H24172
H25111
H26130
H2780
H28231
H29150
H30202

猪去地区の事例は、場当たり的な対策ではなく、地域全体が目標を共有し、計画的かつ継続的に対策を行うことの重要性を示しています。

3 駆除だけでは終わらない。人と熊の共存に向けた課題と展望

熊を駆除するだけでは根本的な解決にはなりません。ここでは、対策を難しくしている社会的な課題と、人と熊が共に生きていくために必要な取り組みや今後の展望について解説していきます。

3-1 対策を阻む社会的な課題

効果的な対策が存在する一方で、その実践を阻む社会的な課題もあります。特に、農山村地域の高齢化・過疎化は深刻で、耕作放棄地の管理や電気柵の維持といった対策に必要な労働力が不足しています。また、根本原因である戦後の森林政策や気候変動は、一地域の努力だけで解決できる問題ではなく、国レベルでの長期的な取り組みが不可欠です。

3-2 国や自治体の新たな動きと支援策

国や自治体も熊対策を強化しています。2024年4月には熊が「指定管理鳥獣」に追加され、出没後の対応から、科学的データに基づく計画的・広域的管理へと方針が転換しました。

また、「鳥獣被害防止総合対策交付金」などの補助金制度も整備され、電気柵の設置や緩衝帯の整備、捕獲活動などが支援対象です。詳細は市町村やJAで確認し、積極的に活用しましょう。

3-3 私たちが目指すべき「共存」とは

熊の出没問題は、「熊対人間」という単純な構図ではなく、戦後の経済成長の中で私たちが自然との関わり方を変えてしまった結果としての“症状”です。短期的な駆除に頼るだけでは根本的な解決にはなりません。長期的な視点で健全な広葉樹の森を再生し、里山の緩衝機能を取り戻すことが必要です。人と熊が互いの領域を尊重し、適切な距離を保ちながら共に生きられる環境を整えることこそ、真の「共存」への道だといえるでしょう。

4 よくある質問 (FAQ)

Q1: 山菜採りや農作業中に、熊に遭遇しないための工夫はありますか?

 A1: はい。熊対策では、クマ鈴やラジオで音を出し、自分の存在を知らせることが大切です。早朝や夕方は特に注意し、一人での行動は避けましょう。また、作業場所の藪を刈り払い、見通しを良くすることも効果的です。

Q2: 電気柵を設置すれば絶対に安全ですか?

 A2: 電気柵は効果が高いですが、正しい設置と日々の管理が必須です。特に、①十分なアースを確保、②ワイヤーに雑草が触れないよう草刈り(漏電防止)、③電圧をテスターで確認、の3点は欠かせません。不十分だと熊の侵入を防げません。

Q3: 熊を駆除すれば問題は解決しますか? 

A3: 駆除だけでは根本的な解決になりません。果樹や生ゴミといった誘引物が残る限り、別の熊が再び寄ってきます。問題解決には、駆除と並行して地域全体で環境管理を総合的に行うことが不可欠です。

Q4: 対策をしたいのですが、利用できる補助金などはありますか?

 A4: 国や自治体は「鳥獣被害防止総合対策交付金」などで、電気柵設置や緩衝帯整備、捕獲活動の費用を支援しています。申請方法や条件は、市町村役場やJAにお問い合わせください。

5 まとめ

熊の出没増加は、「ドングリ凶作」「餌のない人工林」「里山の崩壊」という3つの要因が重なった結果です。個人や地域でできる対策もあります。まずは生ゴミや放置果樹の管理、家周りの草刈りから始めましょう。

農業者は電気柵の正しい設置と管理が重要です。猪去地区の事例のように、地域全体で協力し、国や自治体の支援制度を活用することも大切です。自分の身の回りから始め、地域や行政と連携することが安全への第一歩です。

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