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2021/04/15

グリスアップについて

いつもお世話になっております。

唐沢農機サービス農機部門サービスの古越です。

最近は、春の暖かさを肌で感じる日が多くなって来ましたね。

今回は、農業機械には必ず使われているとも言ってもいい「グリス」についてブログを書きたいと思います。

なぜグリスアップが必要か?

農業機械に限らず、全ての機械はグリスやオイルによって適切に潤滑・防錆した状態での仕様を想定した性能、耐久性の設計になっています。潤滑・防錆を維持し、機械を長く大切に使用するために、グリスアップは大事なメンテナンスです。

グリスとは?

グリスとはとても簡単に言うと潤滑油のことを言います。また、潤滑油の中でも半固体または半流動性を持ったタイプがグリスと呼ばれます。つまり、液体の潤滑油(エンジンオイルなど)よりは固いタイプの潤滑油です。

グリスを使用する箇所は?

軸受けやギア、ベアリングなどの金属部分や、滑り動く部分に使用します。こまめに給油が必要な場所や給油が難しい場所に適しています。増ちょう剤が配合されているので潤滑面への付着力が強いのが特長です。また広範囲の環境温度に使用可能で、長期の保存が可能なのが特長です。

グリスの種類(主に4種類あります。)

シャーシグリス (カルシウムグリス)
安価で耐水性に優れるグリスです。足回りやベアリングなど様々な部位に使用できます。しかし、他のグリスより耐熱性(耐熱温度80℃)に劣るので、荷重による摩擦が大きい部分には不適切です。

ちなみにホームセンターでカートリッジタイプが1本200円程で購入できます。

リチウムグリス
ほとんどの農業機械の取扱説明書に「万能グリス(マルチパーパスグリス)」と呼ばれるグリスで、耐水性・耐熱性(耐熱温度130℃)に優れ、シャーシグリスより50円ほど価格が高いですが、農業機械に関しては基本全ての部分に使用できます。

モリブデングリス(極圧グリス)

足周りで荷重が掛かるボールジョイント等に使用します。また、焼き付きが発生しやすい場所にも使用します。リチウムグリスよりも耐熱性が高く(耐熱温度150℃)、価格も高く、(シャーシグリスの約2倍ほど)必要な部分も少ないので、農業機械での使用箇所は少ないです。

ウレアグリス
シャーシ、リチウム、モリブデンの金属を含むグリスとは異なり、有機性のグリスです。耐水性・耐熱性ともに優れていて、価格はリチウムグリスより高いですが、金属含有グリスが使用できない部分に使用しますが、使用頻度は低いですが、田植機にはよく使用されます。

 

****    耐水性   耐熱性   価格

シャーシ     〇     △    安い

リチウム     〇     〇    普通

モリブデン    〇     ◎    高い

ウレア      ◎     〇   少し高い

表にするとこんな感じです。↑

 

グリスアップするタイミング

グリスアップのタイミングは、シーズン後に長期格納時にすることがオススメです。

ちなみに取扱説明書を見ると、使用時間の換算で、50時間か1年程度を目安と記載されているものがほとんどです。

あと、トラクターで代かきした後は水が大量に掛かるので、使用後にグリスアップすることも、機械を長く使用するのに大切なポイントです。

まとめ

グリスアップというメンテナンスですが、定期的に適切な種類のグリスを使用することで、機械が長持ちします。

自分ではやり方がわからない。面倒くさいという方は相談ください。

こちらに