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マドゥロ大統領逮捕!世界最大の資源国ベネズエラはハイパーインフレに陥ったのか?
はじめに:南米から届いた衝撃のニュース
2026年1月3日、ロイター通信などの主要メディアは、ベネズエラのニコラス・マドゥロ氏が米国当局によって拘束されたという速報を伝えました(※1)。このニュースは世界中に衝撃を与えましたが、同時に私たちの多くが抱いた疑問は「かつて南米一の富豪国と言われた国が、なぜここまで激しい混乱に陥ったのか」ということではないでしょうか。
このニュースを単なる遠い国の政変としてではなく、「インフラの維持」や「専門技術の継承」という、私たちの仕事にも通じる重要な教訓が含まれた事象として捉えました。今回は、公的なデータと報道に基づき、ベネズエラ経済が歩んだ道のりを紐解いてみたいと思います。
1. 「南米のサウジアラビア」と呼ばれた黄金時代
ベネズエラは、世界最大の石油埋蔵量を誇る資源大国です。その埋蔵量はサウジアラビアをも凌ぐと言われ、1970年代のオイルショック時には莫大な外貨が流入しました。
当時のベネズエラは、まさに地上の楽園のような繁栄を極めていました。首都カラカスには超音速旅客機コンコルドが就航し、市民はマイアミへショッピングに出かけ、高級ブランド品や最新家電を迷わず購入するほどの購買力を持っていました。この時期、ベネズエラの1人あたりGDPは南米で最高水準にあり、インフラ整備も急速に進みました。
しかし、この繁栄は「石油価格」という外部要因に完全に依存したものでした。一社員としての感想ですが、一つの商品や一つの技術だけに頼り切る「一本足打法」の危うさは、商売の世界でも共通するリスクだと感じずにはいられません。

ラグアイラの繁華街 ベネズエラ
2. 国家構造の変化と、ある「転換点」
1999年、ウーゴ・チャベス政権が誕生し、ベネズエラは大きな転換期を迎えます。新政権は「石油の富を貧困層に直接分配する」という政策を掲げ、多くの市民から熱狂的な支持を得ました。
しかし、この時期に行われたいくつかの施策が、後に経済の根幹を揺るがすことになります。特に注目すべきは、2002年に起きた国営石油会社(PDVSA)での大規模な人事刷新です。当時の報道や記録によると、政権の方針に反対してストライキを行った約1万8000人もの熟練エンジニアや管理職が、一斉に解雇されました。
専門技術の喪失という「静かな崩壊」
私たちは日々の業務で、トラクターやコンバインの整備において「長年の経験に基づく直感」や「高度な専門知識」がいかに重要かを知っています。ベネズエラの石油産業でも同じことが起きていました。 ベネズエラの石油は、精製に高度な技術を要する「重質油」が主です。これを取り扱う頭脳が一気に失われたことで、設備のメンテナンス不足が常態化し、世界最高水準だった産油能力は徐々に、しかし確実に衰退していきました。
3. ハイパーインフレの真実:貨幣価値が「秒単位」で溶ける世界
ベネズエラの崩壊を象徴するのが、人類史上稀に見るハイパーインフレです。IMFの推計によれば、ピーク時のインフレ率は年率100万%を優に超えました。(※2)
物価上昇の圧倒的なスピード
年率100万%超という数字は、日常レベルでは「物価が指数関数的に増大する」ことを意味します。 理論上のシミュレーションでは、「朝に100円で売られていたパンが、夕方には13万円を出さなければ買えなくなっている」ほどのスピードで通貨価値が下落しました。1日のうちに物価が1,000倍以上に跳ね上がる事態は、もはや「物価高」ではなく「通貨の消滅」に近い現象です。
貨幣の「物理的な重さ」と決済の限界
これほどのスピードで物価が上昇すると、従来の経済活動は麻痺します。 ■秤(はかり)による決済:レジで札束を数える時間はなく、小売店では札束を秤に乗せ、その「重量」で代金を決済する手法が一般化しました。 ■紙幣の工芸品化:通貨としての購買力が紙幣の「材料費(紙とインク)」を下回った結果、路上では紙幣を編み込んでバッグや財布を作るアーティストが現れました。これは、法定通貨が決済手段から「物理的な素材」へと変わってしまった、経済学的に非常に特異な状況です。
4. 統計が示す「国民生活の苦境」
経済の崩壊は、数字として残酷に現れました。
激減した平均体重と健康被害
2018年の記事(※3)によれば、食料不足により国民の平均体重が数キロから十数キロ減少したという報道があります。かつて「飽食の国」だったベネズエラで、満足に食事が摂れない事態が広がったのです。

800万人の大移動
国連(UNHCR)の発表によれば、住み慣れた故郷を追われたベネズエラ難民・移民は世界で約790万人以上に達しています。これは同国の人口の約4分の1に相当します。流出した人々の中には、再建に不可欠な医師、教師、エンジニアなどの専門職が多く含まれており、これがさらなる国力の低下を招くという負のループに陥っています(※4)。
5. 「真実」をデジタルで証明したレシート革命
このような閉塞感の中で、2024年の大統領選挙は一つの希望の光となりました。ここで注目したいのは、ノーベル平和賞を受賞したマリア・コリナ・マチャド氏らが展開した、テクノロジーを活用した運動です(※5)。
彼女たちは、選挙当局の不正を防ぐため、全国の投票所にボランティアを配置。投票後に各端末から出力される「投票集計レシート」を物理的に回収し、それをスキャンしてクラウド上に即座に公開するという手法を取りました。 政府が発表する「公式結果」に対し、国民が手元にある「客観的な証拠(デジタルデータ)」で対抗したのです。この透明性への追求が、国際社会を動かし、今回の事態を招く大きな要因の一つとなったことは間違いありません。
6. 私たちがここから学ぶべきこと
ベネズエラの事例を、遠い国の出来事、あるいは特定の政治体制の失敗として片付けるのは簡単です。しかし、一社員としてこの記事を執筆しながら感じたのは、より普遍的な課題です。
インフラと専門性の重要性
どんなに立派な機械(あるいは国家)であっても、それを動かし、維持する「人」と「技術」を軽視すれば、必ずどこかで不具合が生じます。メンテナンスを怠り、専門家を排除した結果が、産油国でのガソリン不足という皮肉な結果を招きました。
データの透明性と法治
情報の透明性が失われ、数字が改ざんされるようになると、経済は健全に機能しません。レシートをデジタル化して真実を証明しようとしたマチャド氏の戦いは、現代における「事実」の重みを再認識させてくれます。
終わりに:再建への長い道のり
マドゥロ氏の拘束によって、ベネズエラは一つの時代の終焉を迎えました。しかし、破壊されたインフラを修復し、流出した人材を呼び戻し、天文学的な対外債務を整理するには、これから何十年という時間が必要になるでしょう。
石油という資源は今もベネズエラの地下に眠っています。しかし、それを再び国民の豊かさに変えるためには、単に掘り出す技術だけでなく、国際的な信用と、公正な法治国家としての再出発が不可欠です。
次回のブログでは、この事変が世界市場に与える影響や、ベネズエラの石油生産に不可欠な「ナフサ」を巡る国際関係など、よりマクロな視点からこの問題を掘り下げてみたいと思います。
この記事は下記の資料を参考にして執筆者の見解を加えて執筆しています。
参照資料:
(※1)ロイター通信「米がベネズエラ攻撃、マドゥロ大統領拘束」
(※2)ベネズエラ、19年にもインフレ率1000万%に IMF推計
(※4)国連UNHCR協会「南米ベネズエラ難民危機、故郷を追われる人、790万人」
(※5) “ベネズエラの鉄の女”ノーベル平和賞のマチャド氏が不正選挙を告発!いまベネズエラで起きていること【池畑修平の国際ニュースCORE】
(※6)現代ビジネ スハイパーインフレで「地獄」と化したベネズエラ、そのヤバすぎる現実
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