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なぜお米は高いまま?鈴木新農水大臣の減産方針に消費者反発、農家は支持で分断の危機!「稼げない農業」を今こそ改革の時
こんにちは。広報のコイデです。
最近、スーパーでお米の棚を見て「高い」と感じることが多くなりました。実際、5kg袋の平均価格はこの1年で1,000円近くも跳ね上がり、おおよそ4200円台が相場となっています(※①)。それでもなお、米の販売は堅調に推移しています。これは、お米が私たちの主食であり、価格が高騰したからといって簡単にパンやうどんに置き換えることができないためと考えられます。長きにわたり日本人の食卓を支えてきたお米は、価格上昇下においても、スーパーでの買い控えは限定的で、売れ行きは維持されている状況が見て取れます。
価格は高騰し続ける一方で、消費者の購買傾向に衰退は見られない。この状況ではいずれ消費者の不満が爆発するときが来るかもしれません。実際、鈴木憲和・新農林水産大臣の減産方針に不満を口にするポストや、農家の収入が増え、消費者が過去にない価格でお米を購入することに不満を募らせるポストがSNSで目立ちます。私たちの主食をめぐり、政府は今後、どう動くのか。本稿では、就任間もない鈴木憲和・新農林水産大臣への直接インタビューから、一般報道だけでは見えてこない5つの意外な真相と、生産現場の切実な声を解き明かします。

1. 政府は価格を直接下げない。その理由は「洋服の値段」と同じ。
まず最も重要な点は、鈴木大臣が語る政府の基本姿勢です。政府が市場に直接介入して、お米の価格を無理やり引き下げることはしない、とはっきりと明言しています。
その理由は、価格はあくまで市場の需要と供給のバランスによって決まるべきだという考え方です。大臣は「洋服」を例に、この原則を説明しました。もし生活必需品である洋服の値段が上がっても、政府が「この値段は高すぎる」と口を出すべきではない、と。大臣が強調したのは、そうした介入は、生産者への敬意を欠く行為だという点です。彼らの値付けが不当であると示唆することになり、政府が越えてはならない一線だと考えているのです。
この発言にX(旧Twitte)で多くのユーザーが反応しました。反発の多くは『服は我慢できるが、食料は買わなければ飢えてしまう。農政の責任者がこの両者を混同しているのか』というものです。
しかし農家の方は『消費者が望む5キロ2000円は昭和50年と頃と同じです。 それから物価がおよそ倍になった現在では、米価格はそのくらいは妥当です。 我々に貧乏になれと言うのですか?』という反論のポストに3.4万いいねが集まり、SNS上では消費者と農家の両者で議論が勃発しました。

2. 現在の価格高騰は「有事」。原因は2年連続の政府の”見誤り”。
では、政府は現在の価格高騰を「通常の市場変動」と静観しているのでしょうか。答えは断じて「ノー」です。鈴木大臣は、現在の状況を通常の「平事(へいじ)」ではなく、米業界にとっての「有事(ゆうじ)」だと表現しました。
そして、この「有事」を引き起こした原因は、農林水産省が2年連続でお米の需要を大幅に見誤ったことにあると率直に認めています。
政府の予測よりも、実際の需要がはるかに大きかったのです。この見通しの甘さが需給バランスを崩壊させ、価格の急騰を招きました。この見誤りは、大臣が認めたより深い問題を浮き彫りにします。それは、ECサイトやふるさと納税といった現代的な流通ルートを政府が正確に把握できておらず、いわば目隠しで飛行している状態だったということです。
大臣はこの過ちについて「本当に反省している」と述べ、二度と繰り返さず、価格の安定を取り戻す決意を示しました。
3. 「おこめ券」は価格を下げるためではない。むしろ高止まりさせる可能性も。
政府が検討する消費者支援策として「おこめ券(仮称)」が注目されています。しかし、その目的を誤解してはいけません。大臣によると、おこめ券は市場価格そのものを引き下げるためのものではありません。
真の目的は、価格高騰によってお米を買うのが難しくなっている消費者の経済的な負担を和らげることです。日本の主食であるお米へのアクセスを確保するための、あくまで緊急支援という位置づけです。
日テレニュース 【ロングバージョン】今後のコメ価格どうなる?“おこめ券”は? 鈴木憲和・新農水相を直撃!のインタビューではここで核心に迫ります。インタビュアーから「支援券は需要を下支えし、結果的に価格を高止まりさせるのではないか」という鋭い指摘が投げかけられました。これに対し、大臣はその副作用の可能性を率直に認めました。
(価格低下の要因をそぐという意見は)「全く私もその通りだと思いますが、ただそれも含めて私たちはこの受給バランスというのを考えていきたいという風に思ってます」
それでも政策を進めるのは、お米が国民の主食である以上、目先で本当に困っている人々を助けることが最優先事項だからです。副作用のリスクを承知の上で、緊急の人命救助を優先するという苦渋の選択がうかがえます。
4. 値上がりしても、私たちは「いつものお米」を「もっと」買っている?
ここから、現在の状況で最も不可解な側面、つまり私たち自身の消費行動に話は移ります。データが示すのは、一見すると価格上昇に無頓着にも見える消費者の姿です。(※②)

・ブランドへのこだわり: 昨年から大幅に値上がりしたにもかかわらず、「コシヒカリ」などの銘柄米と、安価なブレンド米の購入比率はほとんど変わっていません。
・購入量の増加: 5kg袋の平均価格が1,000円近く上昇したにもかかわらず、購入された袋の数は昨年より今年のほうが逆に増加しています。
このデータは、家庭での米需要がいかに根強いかを示唆しています。しかし、大臣はすぐに重要な注意点を加えました。このデータはスーパーなど小売りの世界の話に過ぎない、と。
データに表れない外食産業などの業務用の現場では、価格高騰は経営への深刻な打撃となっています。これは2つの経済の物語を生み出しています。家庭では値上げを吸収している一方で、見えない場所、つまりレストランや食品サービス業界では痛みが蓄積しており、価格高騰の苦しみは決して平等に分配されていないのです。
5. 最大の課題は「価格」ではなく「農業で稼げない」という構造問題。
おこめ券や消費者の動向は、あくまで目先の関心事です。鈴木大臣は、これらは単なる症状に過ぎないと主張します。日本の食料安全保障を脅かす真の病巣、それは「農業が儲からない」という根深い構造危にある、と議論の焦点を移しました。
人手不足、高齢化、後継者不足。これらの問題の根本原因はただ一つ、「農業が他の産業ほど稼げないからだ」と断言します。
現場からの叫び:価格決定権なき生産者の苦悩
ここで、生産現場の切実な声に耳を傾ける必要があります。ある農家の方のポスト(@Pman_seaside)に見られるように、農家の皆さんが直面する課題は深刻です。彼らは、米に限らず農作物の売値がこれ以上下がれば経営が成り立たなくなると警鐘を鳴らしています 。
投稿の内容をまとめると、『農家としては大臣の発言に納得です。農家は市場において価格決定権がほぼ無く、資材の高騰といった昨今の物価高に対応できていません。原価を販売価格に転嫁できない業界の状況は「異常」であり、現状を打開するためには、価格を引き上げるか、あるいは何らかの直接的な補助が必要だ』と現場は訴えています。
実際、生産現場の皆さんは、資材を確保し、規模を拡大するために人件費をかけて人を雇いながらも、この先に通せる見通しがなければならないと感じています。米作は年に一度しかできず、方向転換が難しいからこそ、中長期的な展望が必須なのです。

@Pman_seaside X(旧Twitter)2025年11月2日投稿より
長期的な構造改革を目指す大臣への支持
こうした現場の切実な声を踏まえ、農林水産大臣が打ち出している長期的な構造改革への姿勢は、農家からの支持を集めています。
鈴木大臣は、農林水産業全体において人手不足や高齢化が進んでいる最大の理由を、他の産業に就いた方が稼げるという点に尽きると認識しています。
大臣は、高齢農家の痛切な本音を代弁しました。
「心の中では自分の子供や、もしくは孫の世代に自信を持って米を作ってくれ、うちの農業を継いだらどうかっていう言葉を言いたいんですよね。(中略)だから、なかなか孫や息子には(継いでくれって)言えないんだよなっていうのが本心だと思うんですよ。」
大臣が目指すのは、この構造を改善することです。具体的には、「先の見通せる農業」を実現することで、地域に残って農林水産業に従事する方が、東京に就職するよりも「稼げるし幸福度も高い」という姿を日本の将来の理想とすべきだと考えています。
この長期的なビジョンを実現するため、農林水産省は、5年や10年というスパンで「こういう方向に向かっていくんだ」という中長期的な政策を押し示していく必要があります。そしてこの政策は、政府が一方的に押し付けるものではなく、生産現場の皆さんと、そして消費者の皆さんの意見も全て踏まえて作っていくとしています。
また、具体的な施策として、現場の負担感を減らすための基盤整備(田んぼを大きくする事業)や、気候変動に対応するため、暑さに強くたくさん採れる品種を増やしていくことが挙げられています。
このように、米価の安定化をマーケットメカニズム(生産者と消費者の双方に納得感がある受給バランス)に委ねる姿勢を示しつつ、それと同時に、農業を本質的に儲かる、魅力的な産業へと変えるための構造改革を中長期的な視点で行おうとする現場目線の大臣の政策は、生産者の皆さんに将来への希望を与え、支持を得ていると言えるでしょう。
短期的な支援と、長期的な未来への問い
鈴木大臣へのインタビューは、不都合な真実を浮き彫りにしました。政府は、目先の消費者支援という短期的な鎮痛剤を投与しながら、同時に「稼げない」という農業の根本構造を治療しようとする、二正面作戦を強いられています。
価格高騰という目に見える問題の裏には、日本の農業の未来そのものがかかった、より大きな課題が横たわっています。
最終的に問われるのは、これかもしれません。この2つの目標――消費者の負担を和らげることと、農家が豊かになれる産業を築くこと――は、互いを阻害することなく、同時に追求することが果たして可能なのか。日本の食卓の未来は、この難問に対する答えにかかっています。
本ブログ記事は下記の参考元を参照、引用し、執筆者の見解を加えて執筆しています。
参考文献
※①日刊ゲンダイ “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速
※②日テレニュース 【ロングバージョン】今後のコメ価格どうなる?“おこめ券”は? 鈴木憲和・新農水相を直撃!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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