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2025秋田のクマ出没は「人口減少」が原因だった?日本の未来を映す3つの不都合な真実
「もう戦争だよ」。前秋田県知事(佐竹敬久さん 任期: 4期16年間)は、急増するクマ被害の惨状を前にそう語りました。
秋田県で、クマの出没と人身被害が過去最多を記録しています。住民は不要不急の外出を控え、日常活動に支障をきたすその状況は、さながら「ロックダウン」です。事態は、ついに県知事が自衛隊の派遣を要請し、防衛大臣が「危機的な事態」と応じるまでに発展しました。
しかし、この問題の根本原因は、一般的に語られる「山の木の実の不作」や、特定の開発行為だけではありません。その背後には、もっと根深く、日本という国全体の未来を映し出す、構造的な問題が横たわっています。
この記事では、秋田で起きていることの背後にある、私たちが直視すべき3つの不都合な真実を解き明かします。
真実①:クマは森を「追われた」のではない。人間が里を「明け渡した」
なぜ、クマは人里に現れるのでしょうか。SNSでは「メガソーラー建設でクマの住処がなくなった」という説が広く語られています。しかし、少なくとも秋田の事例では、この見方は事実に即していません。秋田県のメガソーラーは数カ所ありますが、ほぼ道路沿いのすでにひらけた土地に設置されているため、山を切り崩して熊の住処を奪っているわけではないとのことです。
問題の本質は、クマの生息域の破壊ではありません。むしろその逆、「人間の活動圏の縮小」にあるのです。
手入れをされなくなった農地は、わずか数年で人の背丈を超える藪となり、やがては森の一部と化します。かつては集落を守る「緩衝地帯」だった場所が、今やクマにとっての「見通しの良いハイウェイ」へと姿を変えてしまいました。私たちはクマの住処を「奪っている」のではなく、自らの領域を静かに「明け渡している」のです。

真実②:本当の引き金は「人口減少」。データが示す静かな崩壊
山と里の境界が曖昧になった根本原因は、耕作放棄地の増加にあります。では、なぜその耕作放棄地がこれほどまでに増えてしまったのでしょうか。秋田県知事が指摘するように、その答えは一つの言葉に集約されます―「人口減少」です。
データがこの事実を冷徹に裏付けています。最新の人口推計によると、秋田県は全国で最も高い人口減少率(-1.87%)を記録しました(総務省統計局の「人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在)」より)。これは、この1年間で秋田県の人口が約17,000人減少したことを意味します。この数字は、毎年県内から一つの町が消滅していくのに等しいペースです。農家が減り、耕作放棄地が増える。そして、山と里の緩衝地帯が失われ、クマが人里へと進出してきます。この因果関係は、もはや疑う余地がありません。
この状況は、私たちに重要な視点を突きつけています。
クマの出没増加が単なる「動物の増加」ではなく、「人間の活動圏の縮小」という社会構造の変化から来ていることを示唆しています。
真実③:「秋田の今」は、避けられない「日本の未来」である
秋田で起きていることを、「遠い地方の問題」として片付けてはなりません。これは、日本の未来を予見させる警告にほかならないからです。
まず、日本の総人口は、外国人を含めてもすでに14年連続で減少が続いています(総務省統計局の「人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在)」より)。この事実こそ、秋田で起きている問題が全国的な構造変化の結果であることを示唆しています。
日本全体に目を向ければ、社会基盤の崩壊を予感させる動かぬ証拠があります。
まず、日本の年間出生数は、毎年過去最低を更新し続けています。 例えば、厚生労働省が公表した2024年の年間出生数(速報値)は、統計開始以来初めて70万人を下回る約68.6万人となり、過去最少を更新しました。(厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況」より)
出生数の減少は、日本の人口減少の最も根本的な原因です。 亡くなる人の数(死亡数)が出生数を上回る「自然減」の状態が10年以上も続いており、その減少幅は年々拡大しています。この事態は、将来の労働力や納税者の減少を意味し、社会保障や地域の維持に必要な基盤を静かに蝕んでいます。
さらに、この人口の静かなる崩壊を加速させているもう一つの要因が、「超過死亡」の増加です。
超過死亡とは、平年の死亡者数予測と比べて、実際に観測された死亡者数がどれだけ上回ったかを示す指標で、社会的な異変を測る目安となります。
2021年以降、この超過死亡が顕著に増加し続けている傾向が、専門家によって指摘されています。(国立感染研究所「日本の超過および過少死亡数ダッシュボード」より)
この増加傾向の原因は、厚労省の発表では現時点では判明していないとされますが、単なる「少子化」だけでなく、「死亡数の増加」という両面から、日本の人口減少は想定を上回るスピードで進んでいるのですことは確かなようです。
私たちに突きつけられた問い
秋田のクマ問題は、自然界の異変ではありません。それは、日本の「社会構造の崩壊」という現実が、野生動物という鏡に映し出された姿に他ならないのです。
人口が減り、人の手が入らなくなった土地が、静かに自然へと還っていく。これは、私たちがこれまで当たり前だと思っていた国土の管理が、もはや維持できなくなりつつあるサインです。
もしクマ出没の根本原因が、人口減少による人間の活動圏の縮小にあるのなら、 このまま全国的に人口減少が進めば、日本の多くの地域が、現在の秋田と同じように「クマによる静かなるロックダウン」状態に陥る危険性が極めて高いでしょう。
前秋田県知事の佐竹敬久さんは「いずれ首都圏でも熊が出る」と警告します。
熊によるロックダウンは、もはや秋田県だけの話ではありません。人口減少という静かながらも大きな波が、国土の隅々までを洗い始めている今、私たちは自然との新たな境界線をどこに引くのかという、極めて重い問いを突きつけられていると言えるでしょう。
参照:本ブログは下記を参照にした上で、執筆者の見解を加えて執筆しています。
「もう戦争だよ」クマ被害急増に前秋田県知事が怒り 犠牲者の状態「本当にむごい」「葬る方だって惨め」2025年10月23日
「人口が減少している都道府県」ランキング 1位は「秋田県」の-1.87%【2024年度・最新データ】
「人口が減少している都道府県」ランキング 1位は「秋田県」の-1.87%【2024年度・最新データ】
人口推計(2023年(令和5年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口‐
クマ被害相次ぐ秋田県知事、自衛隊派遣を要請…小泉防衛相「危機的な事態」と陸自連絡員を派遣へ 2025年10月28日
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