株式会社唐沢農機サービス ロゴ

2025/10/28

訓示全文「全責任は私が背負います」鈴木農水大臣の訓示にネット騒然!「凄い覚悟」「期待できそう」物議を醸す、その政策とは?

こんにちは。広報のコイデです。

新たに農林水産大臣に就任した鈴木憲和大臣。就任直後の10月22日に行われた職員訓示での熱いメッセージが、今、農業関係者の間で大きな話題を呼んでいます。石破前政権が「増産」へと大きく舵を切ったかと思えば、新内閣の発足直後には「減産も視野に」との報道。目まぐるしく変わる国の米政策に、多くの生産者や消費者が戸惑いを隠せません。「一体、何が起きているのか?」と疑問に思うのも当然でしょう。この混乱は、日本の農業政策がしばしば短期的な政治メッセージに振り回されてきた現実を映し出しています。

この中心にいるのが、新たに就任した鈴木憲和農林水産大臣です。一部メディアは、彼が前政権の方針を覆す「増産見直し」を進めているかのように報じています。しかし、彼の就任挨拶や記者会見での発言を詳しく読み解くと、その真意は、短期的な政治スローガンよりも長期的な戦略を優先する、緻密で驚くほど現実的なものであることがわかります。

本記事では、メディアが報じきれていない鈴木大臣の3つの本心に迫り、彼の描く農業政策の真の姿を解き明かします。その後に、注目を集めた就任挨拶の全文(読みやすい整理版)を掲載しますので、大臣の「本気度」をぜひご自身の目で感じてください。

1. 「増産見直し」は誤解。目指すは“賢い増産”

一部の報道を受け、「鈴木大臣は石破前政権の増産路線を転換する」という見方が広がりました。事実、価格暴落を懸念していた農家からは「増産体制はとらないということで大歓迎だ」といった声も上がっており、政策の「巻き戻し」が起きているという印象が強まっています。

しかし、これは本質を見誤っています。鈴木大臣自身は、長期的な増産そのものに反対しているわけではありません。むしろ、「長期トレンドでみれば『増産』」だと明言しています。彼の主張の核心は、「販路(売り先)を確保するまでは無責任に増産とは言えない」という点にあります。まず海外を含めた安定的な販路を開拓し、需要を確保した上で計画的に生産を増やしていくべきだというのが彼の考えです。この現実的なアプローチは決して新しいものではなく、実は石破内閣で小泉進次郎氏が訴え続けてきた路線と一致します。これは、政権トップの意向とは別に、省内には市場の安定を最優先する一貫した思想が根付いていることを示唆しています。

では、なぜ今すぐ増産を推し進めないのか。そこには短期的な事情があります。昨年度、米価高騰を抑えるために国の備蓄米が大量に放出されました。そのため、まずはこの備蓄米を通常の水準まで「買い戻す」必要があり、市場の需給バランスをさらに崩しかねない大規模な増産は避けたいという判断です。

結論として、鈴木大臣の政策は単純な「増産から減産への転換」ではありません。農家が損をせず、市場も混乱しないよう、販路確保や備蓄の回復といった土台を整えながら持続可能な形で生産を増やしていくという、極めて現実的で賢明なアプローチなのです。

2. 「現場に出向くのではなく、気持ちに立て」―農家を奮い立たせた就任挨拶

政策の具体的な内容以上に注目を集めているのが、鈴木大臣の姿勢やコミュニケーションスタイルです。特に、就任時の省内職員への挨拶は、その誠実さからSNS上で「本気度が伝わる」と大きな反響を呼びました。

彼のスピーチで最も印象的だったのが、職員に求めた3つの心構えの1つ目、「現場にいる人の気持ちに立つ」という言葉です。彼は、自身が20年前に農水省の面接を受けた際の経験を、次のように語りました。

「なるほどね。君は頭では考えてきたんだね」

志望動機を語った際に面接官から投げかけられたこの一言が、彼の心に深く突き刺さったと言います。このエピソードを通じて彼が伝えたかったのは、「どんなに理論的に正しい政策でも、現場の人々の心が動かなければ意味がない」という哲学です。ただ現場に足を運ぶ「現場出向」ではなく、生産者や流通業者、消費者の「気持ちに立つ」ことで、初めて心の通う行政が実現できると訴えました。

さらに彼は、政治の圧力に屈しない「役人としての正義感」や、「今まではこうでした」「財務省が…」といった前例主義や制約を乗り越えるための「マインドの転換」も強く求めました。この官僚的な慣習を打ち破ろうとする姿勢と現場への深い共感が、多くの農家から期待を集める源泉となっています。この信頼は彼の言葉だけでなく、過去の行動にも根差しています。ある現役農家はSNSで「農業の会合にもよく参加してくれてたのでこの人は信頼できる」と投稿しており、一朝一夕ではない、地道な grassroots engagement (※)が彼の信頼の基盤となっていることを示しています。

※グラスルーツ・エンゲージメント「草の根の関わり合い」という意味。大規模な組織や中央からのアプローチではなく、現場や地域社会の一般の人々(草の根)と直接的かつ積極的に関わり、信頼関係を築く活動や姿勢を指します

3. 「総理が価格を言うべきではない」―元官僚が見せた政治介入への反論

鈴木大臣の信念を最も象徴するのが、米価に関する彼のスタンスです。石破前首相は在任中、「コメは、3000円台でなければならないと思っている。4000円台などということはあってはならない」と、具体的な価格にまで言及しました。これは、政治が市場価格に強く介入する姿勢の表れでした。

これに対し、鈴木大臣はテレビ番組で明確に反論しました。彼は、政治家、たとえ総理大臣であっても、特定の価格を押し付けるべきではないと主張。価格は、生産にかかるコストと、消費者が市場で受け入れる価格とのバランスの中で決まるべきものだという考えを示したのです。彼の力強い言葉は、多くの視聴者に衝撃を与えました。

「総理大臣が4000円台であってはならないと発言すべきではないと思います」

このスタンスは、農林水産省の元官僚である彼から発せられたという点で特に注目に値します。これは、最高政治権力者によるトップダウンの指示に対し、市場原理と制度的プロセスを守ろうとする官僚としての矜持の表れです。短期的な政治的アピールよりも、農家が適正な利益を確保し、再生産への投資ができる持続可能なシステムを重視する彼の強い意志が、この発言に凝縮されています。

農業政策は新たな章へ向かうか?

鈴木新農相の真意を紐解くと、見えてくるのは3つの明確な姿です。第一に、彼の政策は単純な方針転換ではなく、販路確保を前提とした現実的な長期増産路線であること。第二に、現場の「気持ち」を第一に考える共感力と、官僚主義を打破しようとする覚悟が、農家からの信頼を集めていること。そして第三に、政治的な価格介入を排し、公正な市場を尊重する強い信念を持っていることです。

これまで日本の農業政策は、政権が変わるたびに方針が目まぐるしく変わることから「猫の目農政」と揶揄されてきました。鈴木大臣が就任挨拶で掲げた「マインドの転換」は、この長年の悪循環を断ち切り、日本の食を支える生産者たちのために、真に将来が見通せる持続可能な農業を築くことができるのでしょうか。その手腕に、今、大きな期待が寄せられています。

鈴木農林水産大臣 新任挨拶 スピーチ全文(整理版)

ここからは、就任直後に行われた、農林水産省の職員に向けた鈴木大臣の熱いスピーチ全文を、読みやすいように整理した形でお届けします。

鈴木農林水産大臣 新任挨拶 スピーチ全文

皆さんこんにちは。 この度、農林水産大臣を拝命をいたしました鈴木憲和です。20年前、私が農林水産省に入省いたしましたが、そんな私が今この場で、こうして皆さんの前でお話をする事ができるのは、これまでご指導をいただいた農林水産省の職員としての先輩方、そして同期の皆さん、また後輩の皆さん、皆さんがいて今の私がおるからです。皆さんから教えていただいたことは、農林水産行政はどのようにあるべきか、科学に基づく食品安全行政はどういうものか、そして何よりも消費者行政の大切さです。こうしたことを教えていただいたように思います。

これを元にして、これから新たな農林水産行政、そして国民への食料の安定供給、日本の食料安全保障の確保。これを皆さんと一緒にやりたいという風に思っております。

今世界は地球温暖化と複雑な国際情勢の中で、食料供給のリスクというのが過去になく増大をしていると認識をしています。そういう中で、私たち農林水産省には、現場の生産者の皆さんからの納得感、そして間に入る流通や加工の皆さんからの行政への納得感、そして何よりも消費者行政への納得感。これが求められているという風に私自身感じています。

そのことを元にして、これから素晴らしい政務三役の皆さんが来ていただきました。どの皆さんも、根本先生、山下先生、広瀬先生、山本先生、皆さん誰しもが農林水産行政に思いを持って国会議員としてやってくださっている皆さんであります。皆さんと一緒にこの農政を新たな高みに持っていきたいという風に思っております。

その上で、私からは職員の皆さんに、今日は全国でお聞きの皆さんもいらっしゃると思います、3点お話をさせていただきます。

1点目:「現場にいる人の気持ちに立つ」

私が農林水産省の門を叩いた時、初めてその当時の秘書課長の面接を受けました。どなたかについては、先輩方はわかっているかもしれません。あの個性豊かなあの人です。その人から、私の志望動機を申し上げた時に言われた言葉はこういう言葉でした。

「なるほどね。君は頭では考えてきたんだね」 もう一度言います。 「なるほどね。君は頭では考えてきたんだね」

この言葉は私の心に本当に刺さりました。どんなに正しい政策でも、どんなに理想的な政策であったとしても、現場の皆さんの心が動かなければ、この国のいい姿は成し遂げるということができないと思っております。生産、流通、消費の現場の皆さんの心、そして気持ち、これをよく踏まえて、私たちはやっていかなければなりません。「現場に出向く」ということではなくて「現場にいる人の気持ちに立って」私たちは取り組もうではありませんか。ここにいる政務三役の皆さんと一緒に、私たちみんな政務三役が一番厳しい現場に、一番辛い現場にお邪魔をして、その皆さんの気持ちに立って、心の通う農林水産行政を実現したいという風に思っております。

2点目:「役人としての正義感、フェアな心、公平さ」

そして2点目。是非職員の皆さんには役人としての正義感、そしてフェアな心を、公平さを心がけていただきたいという風に思っております。

時には政治からの「これはないよね」という要求があるかもしれません。世論の皆さんからの「それはないよね」と思う世論になるかもしれません。それでも私たちは、20年先から今を振り返った時に、「あの時の私たちの行動は正しかった。あの時の正義感は間違っていなかった」そういう風に思えるような判断を、一人一人の皆さんにやっていただきたいと思っています。そのための議論や、そのためのそれぞれの場所での戦いは大歓迎です。是非政務三役とも、皆さん正義感を持って戦っていただけたらと思いますし、政治の圧力に屈しない、こういう農林水産行政を目指そうではありませんか。と政治家の私が言うのはあんまり説得力がありません。

3点目:「マインドの転換」

そして最後に是非、農林水産省の全国の職員の皆さん。これまでのマインドを変えてください。日本は今、長い間のデフレからインフレに変わろうとしています。多くの国民の皆さんが、この局面の転換の中で、マインドをどうやって変えていけるか、まさに今この過渡期にあります。様々な対策は、政治が責任をもって、皆さんといっしょにやらなければなりません。ただその第一歩目に必要なのは、職員の皆さんと私たち自身のマインドの転換だという風に思っています。

「今まではこうでした」「補助の上限はこれでした」「財務省が…」こういう壁を全部乗り越えていこうではありませんか。そして今まで中間地域を始め、私たちが本来やらなければならなかった衰退を止めることのできなかった、こうした農林水産行政のこれまでの壁を、皆さんと一緒に乗り越えて、ぶれない「猫の目農政」と言われない、将来が見通せる、そういう農政を皆さんといっしょに作っていきたいという風に思いますので、全ての責任は私が背負います。是非皆さんといっしょに、この国の将来のために前に進んでいきたいと思いますので、どうかこれからよろしくお願いいたします。

私からのご挨拶、以上といたします。ありがとうございます。

鈴木農林水産大臣職員訓示(令和7年10月23日) 農林水産省 maffcghannelより引用

参考

本ブログは下記を参照にし、執筆者の見解を加えて執筆したものです。

※①新農水相の“手腕”問われるコメ価格の安定 減産も視野の需給調整に農家は「大歓迎」 JA福井県も「期待している」2025年10月24日

※②鈴木大臣就任会見 2025年10月22日

※③鈴木憲和農相「総理が4000円台であってはならないと発言すべきではない」石破茂前首相に反論 10月27日

最後までお読みいただきありがとうございました。

他にもこんなブログを書いています。

\\唐沢農機サービスチャンネルはこちら//
https://www.youtube.com/@karasawanouki/videos

\\唐沢農機サービス採用のチャンネルはこちら//
www.youtube.com/@唐沢農機サービス採用

長野県で働きたい

\\フォローといいねお待ちしています!//
求職者の方、企業様、お気軽にお問い合わせください!
https://www.instagram.com/nagano_hatarakitai

唐沢農機サービスホームページ
https://www.karasawanouki.co.jp

唐沢農機サービスリクルートサイト

\\一緒に働く仲間を大募集!//
https://recruit.karasawanouki.co.jp

ノウキナビ

\\中古農機買取強化中!//
https://shop.noukinavi.com

ビーズクリエイト
https://www.bscre8.com

ビーズクリエイトinstagram
マーケティング情報や、経営者向け情報、営業日記を配信中!
https://www.instagram.com/bscre8

一緒に働く仲間も募集中です!

トップページ

会社説明会の日程は、リクルートサイトの“お知らせ”よりご確認ください。