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2025/09/08

耕さない農業「不耕起栽培」とは?メリット・デメリットを解説

こんにちは! 唐沢農機サービス広報チームのコイデです。 

最近、「「乾田直播(かんでんちょくはん)」や「稲の室内栽培」など、従来の栽培法を根底から覆すような新しい栽培法が話題になっていますね。私は以前、農哲学者、故・福岡正信さんが提唱された、自然農法の記事を読んだことがあるのですが、この栽培法も、土を耕さず、水や肥料も使わないというその栽培法で、まさに農業の常識を覆す革命的な考え方でしたので、当時とても興味を惹かれたのを覚えています。

農作物の栽培法といっても、一つというわけではなく、農家さんの数だけ存在するとも言えるかもしれません。私たちが毎日当たり前のように口にする野菜やお米。この食材が、どんな土地で、どんな農家さんによってどんなふうに育ったのか、たまに考えたりしませんか? 日本の農業が直面している後継者不足や、農機具の高騰、海外からの輸入米、さらには気候変動といった数々の問題に立ち向かい、私たちの食卓を守ってくださる農家の皆さんには、心から感謝しかありません。

そんな中、最近新たに注目を集めているのが「不耕起栽培」という農法です。故・福岡正信さんの農法と同じく「土を耕さない」という共通点を持つこの栽培法は、実は畑の土や農作物にとってとても理にかなった栽培法で、今、農家さんが抱えている問題を解決する可能性を秘めているようです。今回は、この「不耕起栽培」について、皆さんと一緒に深掘りしてみたいと思います。

「不耕起栽培」とは、文字通り「土を耕さない」農業のことです。一般的な農業では、種をまく前にトラクターなどで土を深く耕し、柔らかくする作業を行います。しかし、「不耕起栽培」ではこの作業を一切行いません。

この農法には、「土をかき乱さない」「土を覆う(マルチング)」「混植する」という3つの原則があるそうです。前作の作物を刈り取った後に、その残渣をそのまま土に残したり、草や落ち葉を敷き詰めたり。そうして土壌の表面を守りながら、次の作物を育てていきます。

「不耕起栽培」についてネット記事を読んでいると、こうした耕さずに作物を育てるという考え方は、日本ではやはり冒頭でお話しした農哲学者、故・福岡正信さんが提唱したのが始まりとされていて、アフリカでの緑地化成功と、国内外に多くの支持者を得たようですが、技術的な問題や、食糧増産が急務だった時代背景もあり、現代の農業の主流とはならなかったということです。(※1)故・福岡正信さんがアフリカの緑地化に成功した「種入り粘土団子」も、非常に興味深いので、ご興味のある方はぜひ調べてみてください。

「不耕起栽培」は、土の中の生態系をそのまま保つことで、自然の力を最大限に活かすことが目的とされています。土の中には、ミミズなどの生き物や、目には見えない微生物がたくさん暮らしています。耕すことで彼らの住処が壊されてしまうのを防ぎ、土壌本来の力を引き出すことで、健康な作物が育つ環境を作っていく、という考え方です。

「不耕起栽培」には、農家さんにとって、そして私たち消費者にとっても、嬉しいメリットがたくさんあります。

  1. 地球にもお財布にも優しい! 炭素固定とコスト削減

 「人類は耕しすぎた…」という少しドキッとする言葉をネット記事で目にしたことがあるのですが(※2)、耕すことで土中の有機物が分解され、土壌に蓄えられていた炭素が二酸化炭素として大気中に放出されてしまう、というのです。不耕起栽培では、土をかき乱さないことで、この炭素の放出を抑える効果が期待されています。いわゆる「炭素固定」ですね。
また、燃料代の高騰が続く中、トラクターで土を耕す作業がなくなることは、農家さんにとって大きなメリットです。作業時間が短縮されることで、人件費や機械の維持費なども抑えられ、経営的な負担が軽減されるという意見もあります。

  1. 大切な水を守る「保水性」の向上 

近年、記録的な猛暑や少雨によって、畑がカラカラになってしまうというニュースをよく見かけますが、「不耕起栽培」では、土を覆うマルチングや、作物の根が複雑に絡み合うことで、土壌の水分が保たれやすくなるそうです。これにより、乾燥に強い畑を作ることができるとのこと。健康な土壌が、水不足という課題から農作物を守ってくれるのは、私たちにとっても心強いですよね。

  1. 雑草が減り、病害虫に強くなる? 

「不耕起栽培」では、マルチングによって雑草が生えにくい環境を作ったり、複数の作物を一緒に育てる「混植」によって、生物多様性を高め、病害虫への抵抗力を強める効果も多少は期待できるようです。雑草が少しでも減ることで、除草作業の負担が減ったり、農薬の使用を減らすことができれば、消費者としてもより安心して作物を手に取ることができます。

ここまで聞くと、「不耕起栽培」は良いことばかりのように思えますが、現実には日本で普及しているとは言えません。それには、いくつかの理由があるようです。

  1. 雑草との戦いは避けられない? 

「不耕起栽培」における最大の課題の一つは、やはり雑草対策です。マルチングや混植である程度は抑えられても、完全にゼロにすることは難しいようです。一部では、雑草を抑えるために非選択性除草剤が使われることもあるとのこと。農家さんによっては、除草作業の手間やコストが増えるという意見もあるようです。

  1. 慣行栽培とは違う、専門的な知識と技術が必要 

これまでの慣行栽培に慣れた農家さんにとって、「不耕起栽培」への切り替えは簡単なことではありません。専用の機械を使ったり、土壌の状況を観察しながら作業を進めたりと、これまでの経験とは違う専門的な知識やノウハウが求められます。 実際に、家庭菜園レベルで「不耕起栽培」に挑戦してみたという方もSNSなどで見かけますが、「うまくいかなかった」「やっぱり雑草がすごい」といった声も少なくありません。

  1. 土壌の排水性が課題になることも 

「不耕起栽培」では畝を立てずに平らなほ場で栽培することが多いため、土壌の排水対策が重要になります。水はけの悪い土地では、作物の根が傷んでしまうリスクも考えられます。

「不耕起栽培」は、決して万能な農法ではありません。地域や作物の種類、そして何より、農家さんの経験や考え方によって、向き不向きがあると言えるでしょう。

しかし、私が今回「不耕起栽培」を調べる上で感じたのは、この農法が「土を愛する」ことから生まれている、ということです。土をただの「植える場所」ではなく、生命が息づく「生き物」として捉え、その力を最大限に引き出す。そうした姿勢こそが、これからの日本の農業に必要なのかもしれません。

かつて農哲学者、故・福岡正信さんが提唱された「何もしないこと」で自然の力を引き出す農法は、当時、多くの常識を覆すものでした。そして今、環境問題や食料問題が深刻化する中で、改めて「土を耕さない」という考え方が見直され、新たな技術とともに発展しつつあります。それが数々の異常気象を重ねたこの2025年に、急加速したように思います。

私たちの食卓を支えてくださる農家さんが、少しでも楽に、そして持続的に農業を続けられるように。そして、子どもたちに安心して食べさせられる美味しい農作物が、これからもずっとこの国で育ち続けるように。唐沢農機サービスとしても、そんな未来に貢献できるよう、これからも様々な情報をお届けしていきたいと思います。

出典

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