
ブログ
歴史的大転換!コメ増産へ舵切る石破政権、農家の懸念も

はじめに
今回取り上げるのは、2025年8月5日に石破首相が表明した「米増産への方針転換」です。政策の転換は歓迎する一方で、現場の農家さんたちにはさまざまな懸念もあります。歴史的転換の意義と課題を整理しながら、農家目線で深掘りしてみました。
1.歴史的な方針転換へ
2025年8月5日、石破首相は「米の安定供給実現関係閣僚会議」において、需給見通しを誤った結果、生産量が不足し価格高騰につながったとの検証結果を踏まえ、増産への転換を明言されました 。
これまで、1970年代から続いてきた減反政策(米の作付量を制限する政策)は、2018年に正式には廃止されたものの、依然として補助金を通じて事実上継続されてきました。首相はその流れを断ち切る意向を改めて示し、半世紀にもわたる政策の大転換を目指しているようです 。(※1)
2.方針転換の背景とねらい
政府が増産に舵を切った背景には、主に3つの要因が推察されます。
■新型コロナ禍からの回復に伴い、家庭での米消費が再び増加傾向にあること
■インバウンド需要(訪日外国人による和食需要)の伸び
■備蓄米の放出が遅れ、その結果市中の供給が追いつかず価格高騰を招いたこと (※2)
結果として、5kgあたり3,500円以上となる銘柄米の価格高騰が各地で見られ、消費者からは「価格の安定」への期待が高まりました。
そういえば、新型コロナ禍以降、「ふりかけ」の売れ行きが急に伸びたという報道も記憶にあります。節約志向の高まりからお米が主食として見直されていた時期でもあり、今思えば、実質的に米の供給が足りなくなりはじめていたことの、ひとつの兆しだったのかもしれません。(※3)
3.農家の方々の声と懸念
増産方針に対して歓迎の声もある一方、報道を見ておりますと農家の皆さまからは率直な不安や疑問も多く聞かれます。出典より抜粋してお伝えします。
■宮城県の農業法人(ササニシキ、ひとめぼれ):「価格の安定が最も重要。私たちが増産して価格が暴落すれば、本末転倒だ」
■新潟の農業法人:「増産は評価できるが、休耕地をすぐ田んぼに戻すのは大変。乾燥施設やコンバインなどへの支援を強く望む」
■静岡の農家(藤枝市、60歳):「増産には賛成。ただ、後継者不足や高温障害など課題も多い。農地集約や大型機械の導入が鍵になる」
■北海道の農家(芦別市):「整地などの準備が必要で、簡単には増産できない。突如の生産要請にはリスクがある」(※4)
これらの声には、政策が現場の実情を十分に把握していないのではというという戸惑いも含まれており、唐突な変化により農家が追い詰められる懸念も感じられます。

4.政府が提示する支援策と調整の現状
農林水産省・小泉農相は、政策転換に伴い以下のような支援策を検討しているとされています。
■スマート農業技術(自動運転トラクター、ドローン、直接種まき技術)の導入支援
■耕作放棄地を再活用するための制度整備
■環境配慮型農業への交付金制度の創設
■所得減少時の補償強化や、新たな所得補償制度への見直し検討

ただし、自民党の農林部会や政策調査会からは「全戸一律に増産を求めるのではなく、需要に応じた慎重な支援にするべき」との懸念も示されており、小泉農相も「増産の基本はあくまで需要に応じた生産」を繰り返して強調しています 。(※5)
5.共感できる農家目線の課題整理
政策転換の意義は明らかですが、現場の農家の皆さまの声に寄り添えば、以下のような多層的な課題が浮かび上がります。
■生産準備の時間とコスト:休耕地の整備・機械導入・土壌改良には時間と投資が必要。短期で増産を求められても難しいケースが多い。
■価格下落による収入への懸念:増産による供給過多で価格が下がれば、農家の所得が直撃される可能性。所得補償の枠組みが不十分であれば、現場は不安を抱え続ける。
■後継者不足と高齢化:特に中山間地では高齢農家が多く、担い手不足が深刻。若い新規就農者への支援や、集約による作業効率化が急務。
■気候変動課題の視点:近年の高温や渇水の影響で、コメの生育に影響が出ている地域もあり、増産の前提条件として気候リスクへの対策が不可欠。
これらを踏まえれば、ただ単に増産を目指すだけでなく、農業の構造改革・技術支援・所得安定策をセットで進めていく必要性が浮き彫りになります。
6.消費者・流通の反応にも目を向けて
報道で伝えられる消費者や流通関係の声も重要です。
■札幌の米穀店代表は「増産は歓迎。日本のコメの安定供給を実現する意味でも重要」と述べています 。(※4)
■一方、X(旧Twitter)では、米の増産方針を歓迎する声がある一方で、「これまでの減反政策は何だったのか」といった過去の政策への批判や、「結局その場しのぎの場当たり的な対応では」といった政府への不信感を示す投稿も多く見られます。(Grok3の要約から)
これまで長きにわたり、減反政策によって「作りたいのに作れない」状況が続いてきた農家の皆さまにとっては、「多すぎれば作るな」「足りなくなれば作れ」といった場当たり的な対応に振り回されてきた思いも強いことでしょう。
農業人口の中央値が75歳を超える現在、石破政権の掲げる米増産という大きな政策転換を、すぐに歓迎するのは難しいのも無理はありません。
だからこそ、農家・流通・消費者の三者がそれぞれ安心できるような需給の設計と、長期的に安定した価格の仕組みづくりが、今こそ求められているのではないでしょうか。
おわりに
長年の減反政策から、米増産への転換へ――。まさに大きな転機を迎えつつある日本の農業ですが、現場で汗を流す農家の皆さまにとっては、不安や負担も伴う変化です。
私たち唐沢農機サービスは、そうした声にしっかりと耳を傾けながら、スマート農業の導入支援や農地再活用のご相談など、現場に根ざしたサポートを今後も続けてまいります。
一つひとつの取り組みが、未来の農業をつくっていくと信じて。これからも、農家の皆さまに寄り添いながら、共に歩んでいけたらと願っています。
【出典一覧】 一部記事を要約・引用
(※1)「石破首相、コメ政策で『失政』認める 農政に歴史的転換」
(※2)「第1回 米の安定供給実現関係閣僚会議」
(※3)「2024年が「最もふりかけが売れた年」になった背景節約志向の高まりで大人の「夜ごはん」でも重宝」
(※4) 石破首相 コメ増産にかじ切る方針表明 農家の反応は…
(※5)「小泉農相、米増産『需要に応じて』 所得補償制度の見直し示唆」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
他にもこんなブログを書いています。
\\唐沢農機サービスチャンネルはこちら//
https://www.youtube.com/@karasawanouki/videos
\\唐沢農機サービス採用のチャンネルはこちら//
www.youtube.com/@唐沢農機サービス採用
長野県で働きたい
\\フォローといいねお待ちしています!//
求職者の方、企業様、お気軽にお問い合わせください!
https://www.instagram.com/nagano_hatarakitai
長野県転職相談
https://www.instagram.com/nagano_tensyoku/
https://www.tiktok.com/@nagano_tensyoku
唐沢農機サービスホームページ
https://www.karasawanouki.co.jp
唐沢農機サービスリクルートサイト
\\一緒に働く仲間を大募集!//
https://recruit.karasawanouki.co.jp
ノウキナビ
\\中古農機買取強化中!//
https://shop.noukinavi.com
ビーズクリエイト
https://www.bscre8.com
ビーズクリエイトinstagram
マーケティング情報や、経営者向け情報、営業日記を配信中!
https://www.instagram.com/bscre8
一緒に働く仲間も募集中です!
会社説明会の日程は、リクルートサイトの“お知らせ”よりご確認ください。