【2025年末年始】日本は10年に一度の「異常高温」到来？農家が正月休み前に絶対やるべき緊急対策

株式会社唐沢農機サービス【2025年末年始】日本は10年に一度の「異常高温」到来？農家が正月休み前に絶対やるべき緊急対策

Blog

ブログ

2025/12/24

皆さん、こんにちは！唐沢農機サービス、広報担当のコイデです。師走もいよいよ押し迫り、街はクリスマスや正月の準備で慌ただしくなってきましたね。

さて、皆さんはもう年末年始の天気予報を確認されましたか？帰省や旅行を計画されている方は「雪は降るのかな？」「どんな服を持っていけばいい？」と気になっていることでしょう。私たち農業に携わる人間にとっては、ちょっと深刻で、少し気になる予報が飛び込んできました。

「2025年末から2026年年始にかけて、10年に一度レベルの著しい高温になる」

このニュースを聞いて、「暖かくて過ごしやすい正月でラッキー」と思った方、ちょっと待ってください。この「異例の暖かさ」は、農作物にとって非常に危険なサインかもしれません。

今回は、気象庁が発表した衝撃的な「早期天候情報」の中身と、この暖冬正月を無事に乗り切るために、農家の皆さんが「仕事納め」の前に絶対にやっておくべき対策について、唐沢農機サービスの視点で詳しく解説します。

1. まさかの「10年に一度」レベル！気象庁が発表した異常高温とは

まずは、情報の元となった気象庁の発表を整理しましょう。

2025年12月19日、気象庁は日本全国の広い範囲に向けて「高温に関する早期天候情報」を発表しました。対象となる期間は、2025年12月24日頃から2026年1月1日頃にかけて。まさにクリスマスからお正月という、一番のホリデーシーズンです。

この期間、日本列島は北海道から九州北部にかけてのほぼ全域で、この時期としては「10年に一度程度」しか起きないような著しい高温になる可能性があるとされています。

具体的にどれくらい暑くなる？

「高温」と言われてもピンとこないかもしれませんが、具体的な数字を見るとその異常さがわかります。例えば、東北地方では12月24日頃から5日間の平均気温が平年より2.1℃以上高くなると予想されています。また、関東甲信地方でも同様に2.0℃以上高くなる見込みです。

「たった2℃？」と思われるかもしれませんが、平均気温での2℃の上昇は、植物の生理生態にとっては劇的な変化です。人間で言えば、真冬に厚手のコートを着込んで暖房の効いた部屋に閉じ込められるようなもの。寒気の影響が弱く、暖かい空気が流れ込みやすくなるため、かなりの高温になる日が続くと見られています。

2. 「暖かい正月」が招く農業への深刻なリスク

私たちがこの予報を深刻に受け止めている理由は、この時期特有の「油断」と「リスク」が重なるからです。

年末年始は、多くの農家さんが少し長めの休暇に入られるタイミングです。市場も止まり、日々の出荷作業から解放されて、家族とゆっくり過ごしたい時期ですよね。しかし、作物は休みを知りません。この「管理が手薄になりがちなお正月休み」に「異常高温」が直撃することで、以下のような被害が懸念されています。

① 施設園芸（ビニールハウス）での「蒸れ」と「病気」

最も警戒が必要なのがハウス栽培です。外気温が高くなると、ハウス内の温度は急上昇します。普段通りの冬の管理設定のままだと、換気が追いつかず、ハウス内が「蒸し風呂」状態になってしまう恐れがあります。これにより、作物がひょろ長く育ってしまう「徒長（とちょう）」や、過湿による「灰色かび病」などの病気が発生するリスクが高まります。

② 露地野菜の「育ちすぎ」と「軟弱化」

外で栽培している野菜たちも無関係ではありません。気温が高いと生育スピードが想定以上に早まってしまいます。収穫適期を逃してしまったり、急速に育つことで組織が軟弱になり、品質が低下する恐れがあります。また、本来なら寒さで死滅したり活動を停止するはずの病害虫が越冬しやすくなることも懸念材料です。

③ 貯蔵庫での「腐敗」や「芽出し」

意外と見落としがちなのが、収穫後の野菜たちです。ジャガイモや根菜類を倉庫で保管している方も多いと思いますが、庫内の温度が上がると、カビが発生したり、ジャガイモから芽が出てしまったりと、鮮度が著しく低下する可能性があります。

3. 【緊急チェックリスト】正月休みに入る前に！農家がやるべき具体的対策

「せっかくの休みなのに、心配で気が休まらない…」そうならないために、本格的なお正月休みに入る前に、以下のポイントを必ずチェックしてください。これは、今回の異常気象を受けて推奨されている具体的な予防策です。

■ 施設園芸（ハウス）の方へ

• 換気扇の早期稼働設定: 設定温度をいつもより下げ、早めに換気扇が回るように再設定してください。

• 天窓・サイドの開放: 日中は積極的に開放し、熱を逃がしましょう。自動開閉装置のセンサーチェックも忘れずに。

• 遮光カーテンの活用: 直射日光による急激な温度上昇を防ぐため、遮光カーテンを有効活用してください。

■ 露地野菜農家の方へ

• 適期収穫の前倒し: 育ちすぎを防ぐため、収穫可能なものは休みの前に取り切ってしまうことを検討してください。

• 排水対策: 高温に伴い、雪ではなく雨が降る可能性もあります。圃場の排水性を確認しておきましょう。

• 防虫ネットの再点検: 害虫の活動が活発になる可能性を見越し、ネットに破れがないか確認してください。

■ 果樹農家の方へ

• 地温上昇の抑制: 休眠打破（春が来たと勘違いして活動を始めてしまうこと）を防ぐため、マルチングなどで地温の上昇を抑える工夫を検討してください。樹勢の観察も重要です。

■ 貯蔵庫・倉庫をお持ちの方へ

• 強制換気と冷却: 倉庫の換気を徹底し、熱気がこもらないようにしてください。冷却設備がある場合は、設定温度を再確認しましょう。

• 湿度管理: 腐敗の原因となる湿気を取り除く対策を行ってください。

4. 帰省・旅行・一般の方へのアドバイス

ここまでは農家さん向けのお話でしたが、帰省や旅行を予定されている一般の方にとっても、この気象情報は重要です。

今年の年末年始は、寒波による大雪で交通網が麻痺する…といういつものパターンとは少し違うかもしれません。気温が高いということは、山沿いでも「雪ではなく雨」になる可能性があります。スキー旅行を計画されている方は、雪質への影響を考慮したほうが良いかもしれませんし、車での移動を考えている方は、路面状況の変化（ぬかるみや、夜間の再凍結）に注意が必要です。

また、服装選びも悩みどころですが、日中は暖かくても朝晩の寒暖差が激しくなる可能性があります。「10年に一度の高温」とはいえ、冬は冬です。脱ぎ着しやすい重ね着スタイルで調整できるように準備することをおすすめします。

5. まとめ：万全の備えで良いお年を

今回は、気象庁が発表した2025-2026年の年末年始における「高温に関する早期天候情報」と、それに対する農業対策について解説しました。

【ポイントの振り返り】

• 期間: 12月24日頃〜1月1日頃

• 現象: 10年に一度レベルの高温（平年より+2℃前後）

• 対策: ハウスの換気強化、露地野菜の前倒し収穫、貯蔵庫の温度管理

自然相手の仕事である農業において、気象情報は最大の武器であり、同時に最大の脅威でもあります。しかし、事前に情報をつかみ、適切な対策を講じることで、被害を最小限に抑えることは可能です。

「自分だけは大丈夫」と思わず、今のうちに設備の設定変更や点検を済ませておきましょう。そうすれば、心置きなくお雑煮やおせち料理を楽しめるはずです。

唐沢農機サービスでは、農機のメンテナンスだけでなく、こうした農業経営に関わる重要な情報発信を通じて、地域の農家の皆さんをサポートしていきたいと考えています。また、「来シーズンに向けて新しい農機具を相談したい」「使わなくなった農機具を査定に出したい」といったご相談があれば、ぜひ年明けにお気軽にお問い合わせください。

農機具の整備や査定に関する動画配信も行っています。ぜひ、唐沢農機サービスのyoutubeチャンネルをご覧くださいね。

それでは皆さん、天候の変化にはくれぐれも気をつけて、万全の対策で良いお年をお迎えください！

本ブログ記事は下記の参考元を参照、引用し、執筆者の見解を加えて執筆しています

TBSNEWSDIG「クリスマスから正月頃まで…ほぼ日本全域で12月24日頃～1月1日頃、この時期としては10年に一度程度しか起きないような著しい高温になる可能性　気象庁が「高温に関する早期天候情報」発表」

他にもこんなブログを書いています。