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日本酒が飲めなくなる?米価格高騰と米不足に悩む酒蔵を救う「選ぶ支援」とは
最終更新日:2026年1月16日
少し遅れてしまいましたが、新年あけましておめでとうございます。 唐沢農機サービス広報のコイデです。皆様、健やかに新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。
新しい年の幕開け、新年を日本酒で祝った方も多いのではないでしょうか。 家族や親戚が集まる席で、お屠蘇(おとそ)として、あるいは一年の抱負を語り合う傍らで。キリッと冷えた純米大吟醸や、米の旨味が凝縮された特別純米酒は、日本の正月に欠かせない彩りです。
しかし今、私たちが愛してやまないこの日本酒文化が、かつてない**「消滅の危機」に直面しています。ニュースを賑わせている「令和の米騒動」は、実は酒造**の現場に壊滅的な打撃を与えているのです。
今回は、日本酒業界で今まさに起きている危機の本質を掘り下げ、私たちがこの「日本の宝」を未来へ繋ぐために何ができるのかを考えます。

1. まさかの逆転現象!「酒米」より「主食用米」が儲かる異常事態
なぜ全国の酒蔵が悲鳴を上げているのでしょうか。その根本的な原因は、農家にとって「手間のかかる酒米を作るより、私たちが普段食べる主食用米を作った方が収益性が高い」という、これまででは考えられなかった逆転現象が起きていることです。
猛暑と品薄が招いた価格高騰
異常気象(猛暑)による収穫量の減少で、市場のお米が不足したのは記憶に新しいところです。これにより価格が急騰。その結果、栽培が難しく高度な技術を要する「酒造好適米(酒米)」をわざわざ作るメリットが薄れ、多くの農家が主食用米へ生産を切り替えたり、離農を余儀なくされたりしています。
2. 酒蔵を襲う「二重の苦しみ」と廃業の危機
この米不足と価格高騰は、醸造の現場に直接的かつ深刻なダメージを与えています。
原料の確保が困難: 農家が酒米から主食用米へ転換することで、酒米の供給量が激減。酒造りをしたくても米が手に入らない事態に陥っています。
コスト増による市場の悪循環: 高騰した原料代を製品価格に上乗せせざるを得ませんが、値上げによって消費者が日本酒から遠ざかってしまうというジレンマを抱えています。
多くの蔵元が「もう限界だ」「これ以上は続けられない」と、歴史ある蔵の幕を閉じようとするほどの瀬戸際に立たされているのが現状です。

3. 「日本の宝」としての日本酒|連綿と続く歴史の重み
私たちが今、失うかもしれない危機に直面している日本酒文化には、一体どれほどの歴史と重みがあるのでしょうか。日本の酒造り文化は、想像を絶するほど長い歴史を持っており、まさに「日本の宝」と呼ぶにふさわしいものです。
日本の歴史と共に歩んだ酒蔵の足跡
その歴史は中世にまで遡ります。現存する日本最古の酒蔵とされる須藤本家(茨城県)は、なんと1141年には既に酒造りを行っていた記録が残っているのです。1141年と言えば、第75代天皇の近衛天皇が即位し、後の保元の乱に繋がることになる崇徳上皇の退位のあった年です。平安時代末期にまで遡るその歴史は、日本の歴史そのものと重なります。
ちなみに平安時代末期のお酒は、現代の清酒と異なり、米粒が残った濁酒(どぶろく)のようなもので、甘みが強く、アルコール度数は低めのお酒でした。精白米を使うようになったのは諸白造りの技術が確立した室町時代後期からで、それはおおよそ1492年頃の日本です。その頃の日本の長い歴史と共に歩んできた蔵元は数多く存在します。例えば、須藤本家に次ぐ古さを持つ飛良泉本舗(秋田県)は1487年の創業ですし、5番目の古さとなる酒千蔵野(長野県)が創業した1540年は、あの織田信長がまだ6歳だった頃、戦国時代の動乱期にあたります。私が個人的に応援し、毎年暮れにお歳暮や1年間のご褒美として購入している山形県の「米鶴酒造」も、1697年創業で、やはり300年以上の歴史を持つ由緒ある酒蔵です。これほど長い間、戦や天災、経済の変動を乗り越えて連綿と続いてきた事実には、改めて驚かされます。
このことからも、酒造りがいかに日本の歴史や文化、人々の生活にとって重要であったかがわかります。これらの蔵元は、単なる酒造りではなく、日本の歴史そのものを背負ってきたと言えるでしょう。
現代においても、300年以上の歴史を誇る蔵が100軒以上存在し、現役の酒蔵の約4分の1にあたる300軒ほどが、200年以上の歴史を持っているとされています。この300年以上の歴史という重みは、世界的に見ても稀有な文化遺産なのです。(その他、18世紀までに創業した日本の酒蔵一覧はこちら)

4. どん底から「SAKE」へ。復活を遂げた矢先の試練
かつて日本酒は、ビールやワイン、焼酎の台頭により、一度はどん底の低迷期を経験しました。しかし、そこから蔵元たちは諦めませんでした。
伝統を守りつつも、醸造技術の粋を集めた純米吟醸や、料理に寄り添う純米酒など、多様なニーズに応える種類の酒を世に送り出しました。
世界を魅了する日本酒
こうした努力により、今や「サケ」は世界中で愛される文化へと復活を遂げました。特に中国などアジア圏での人気は凄まじく、海外の富裕層を中心に高品質な日本酒が飛ぶように売れています。それなのに、国内の米の需給バランスという「身内の問題」で、その伝統の露が消えかかっている現状は、あまりにも忍びないことです。
知っておきたい日本酒の知識と選び方
日本酒の世界は非常に奥深く、ラベルに記載された表示や表記からその内容を読み解くことができます。ここでは、選び方の方法や、日本酒の種類について詳しく解説します。
特定名称酒と味わいの違い
日本酒(清酒)は、原料や精米歩合によって細かく分類されます。
純米大吟醸・大吟醸:華やかな香りが特徴。
純米吟醸・吟醸酒:フルーティーで洗練された味わい。
特別純米酒・特別本醸造酒:蔵ごとに特別な造りが施された個性豊かな酒。
純米酒・本醸造:お米本来の旨味やキレを楽しめる、料理に合わせやすい種類。
その他にも、アルコール添加をしない純米系や、日常的に親しまれる普通酒、さらには梅酒やリキュール、スパークリング(発泡)など、シーンに合わせた多様なラインナップがあります。
醸造のこだわりが生む唯一無二の個性
一滴の酒が出荷されるまでには、多くの工程があります。 国産米(山田錦や雄町など)を主原料とし、良質な水と麹、そして酒の母体となる「もと」を育成する醸造プロセス。
生酒・生原酒:火入れをせず、搾りたてのフレッシュさを残した新酒。
無濾過・原酒:濾過や加水をせず、力強い味わいをダイレクトに感じる一本。
熟成・古酒:一定期間貯蔵することで、円熟味を増した深いコク。
にごり・しぼりたて:季節を感じる秋の「ひやおろし」や冬の新酒など。
全国各地の蔵元が紡ぐ「地酒」の魅力
日本は北の北海道から、銘醸地の東北(秋田・宮城県)、雪国として名高い新潟県(新潟)、そして三重県、島根県、山口県、南の九州まで、各地域に個性豊かな産地が点在しています。
長野県(信州)もまた、屈指の酒造県であり、厳しい寒さと清らかな水が、繊細な地酒を育みます。ブランドとして名高い獺祭、久保田、八海山、乃などの有名銘柄はもちろん、地域に根ざした小さな蔵もまた、世界に誇る日本の宝です。
5. 私たちにできる最強の支援は「選んで買うこと」
以前、私が出会った海外の方が「この酒蔵が自国の建国前(数百年以上前)からあるなんて信じられない!」と心底驚いていました。私たちが当たり前と思っている文化は、世界から見れば奇跡のような遺産なのです。
この素晴らしい文化を守るために、今私たちができること。それは、価格高騰にひるまず**「日本酒を選んで購入すること」**、これに尽きます。
多少の値上がりがあっても、その一杯には職人の魂と歴史が詰まっています。毎日の晩酌に地酒を利用したり、特別な日のギフトに大吟醸を選んだりすることが、農家を守り、酒蔵を守り、ひいては日本酒文化を次世代へと飛躍させる最も力強い支援になります。

信州の地酒で豊かな時間を。
唐沢農機サービスが運営する飲食店では、この厳しい状況下で奮闘する蔵元を応援するため、信州の豊かな自然と水が育んだ芳醇な名酒を多数ご用意しています。
お近くにお越しの際はぜひ味わってみてくださいね。
画像左から
沓掛酒造 「互」「福無量」
信州名醸 「喜久盛」
大塚酒造 「浅間獄」

(左)大衆酒場食堂Nakamura
信州名物「美味だれ」がたっぷりかかった『美味だれ 焼き鳥』858円(税込)
(右)居酒屋もんじゃ焼き竹りん
『明太子もちチーズ』税込1,408円
『豚玉』税込1,298円
『ソース肉焼きそば』 税込858円

ご予約お待ちしております☆
出典・参考文献
FNNプライムオンライン:「“令和の米騒動”で酒が造れない…「もう限界」酒米高騰で酒蔵から悲鳴「主食用米のほうが高く売れる」異常事態」
週プレNEWS:「”令和の米騒動”で日本酒に危機!? 農家が悲鳴「酒米より主食米を作ったほうが儲かる」」
読売新聞オンライン:「「令和の米騒動」で日本酒造りに危機、コシヒカリ高騰で農家が酒米から転換…「龍神」醸造元も悲鳴」
Yahoo!ニュース (FNNプライムオンライン):「【解説】“令和の米騒動”で日本酒がピンチ…コメ不足・価格高騰で酒蔵から悲鳴も」
最後までお読みいただきありがとうございました。
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