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2025/09/26

【快挙】日本人研究、農研機構「牛をシマウシにしたら蚊が来ない」がイグ・ノーベル賞を受賞!

朝晩の風に秋の涼しさが感じられるようになり、ようやく過ごしやすい季節になりましたね。ただ、個人的にこの時期は、一年で最も気が抜けない時期でもあります。なぜなら、蚊が最後の猛攻を仕掛けてくるからです!夜中に耳元を「ぷ~ん」と飛んでこられると、反射的に全身がぞっとして、体中が痒くなってしまいますが、ひんやりした今の時期の庭仕事でも、外に出たとたん、「ぷ~ん」と飛んでこられるので、常に蚊取り線香を持参して警戒態勢です。そんな、蚊が苦手な私にとって、そして農業・畜産業界にとっても、非常に明るいニュースが飛び込んできました。人を笑わせつつ考えさせるユニークな研究に贈られるイグ・ノーベル賞を、日本の研究チームが受賞したというのです!

今年のイグ・ノーベル賞の生物学賞を受賞したのは、農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)の兒嶋朋貴研究員らのグループによる研究です。そのテーマは、シマウマと牛を掛け合わせたかのような「シマウシ」!

家畜の黒毛の牛に、シマウマのような白黒の縞模様をペイントすることで、サシバエやアブといった吸血性のハエを防ぐ効果があるかを検証したという、なんともユニークな研究です(※1)。最初にこのニュースを見たとき、「ユーモアあふれる、いかにもイグ・ノーベル賞らしい研究だなぁ」と思わず微笑んでしまいました。しかし、その実験結果と背景にある目的を知ると、これは笑い話どころではない、非常に実用性が高い研究だと気づかされます。

研究チームが黒毛和種の牛を使って行った実験では、驚くべき結果が確認されました(※2)。

吸血ハエの付着数の減少: 白黒の縞模様を描いた牛は、何も描かなかった牛に比べて、体に付着したハエやアブの数が半分以下に減少したとのことです。具体的には、何も塗っていない牛が平均129匹だったのに対し、縞模様の牛は56匹という結果でした。

牛のストレス軽減: ハエを追い払うために頭を振ったり、足踏みをしたりする行動も、縞模様の牛は約25%程度少なくなったそうです(※1)。これは、ハエの攻撃が減ることで、牛のストレスが軽減され、より穏やかに過ごせるようになったことを示していると考えられます。

この成果は、単にハエを遠ざけるというだけでなく、畜産経営における深刻な課題を解決する大きな可能性を秘めているのです。

なぜ、牛のハエ対策がそこまで重要なのでしょうか。

吸血性のハエは、牛の血を吸って体力を奪うだけでなく、感染症を媒介することで家畜の健康を脅かし、乳量の減少や肉牛の体重増加の妨げといった経済的損失を引き起こします(※2)。これまでの対策は、主に殺虫剤の散布に頼ってきましたが、近年、昆虫が薬剤に抵抗力を持つ薬剤耐性の問題が深刻化し、効果が薄れてきているという実情があります。

兒嶋研究員は、牛を飼う農家の方からの「虫対策の相談」をきっかけに、この研究をスタートさせたとのことです。今回の「シマウシ」研究は、農薬を使用しない代替手段として、

  1. 家畜の福祉向上(ストレス軽減)
  2. 感染症リスクの低減
  3. 環境負荷の軽減(殺虫剤使用の減少)
  4. 薬剤耐性問題への貢献

といった、多角的なメリットをもたらす可能性を示しています(※2)。世界を笑わせただけでなく、畜産業界に持続可能な未来への大きな一歩を踏み出させた、非常に重要な功績だと称賛の声が上がっているのも納得です。

もちろん、この画期的な方法にも課題はあります。縞模様のペイントは水性塗料のため、残念ながら数日で落ちてしまうとのことです。兒嶋研究員も「いかに簡単にしま模様を施せるかや、長時間維持できるかが普及には肝要だ」と語られていました(※1)。

この研究は今回イグノーベル賞を受賞したことで一気に世界に認知されるようになりましたが、実は2019年に論文を発表していて、すでに国内の馬を飼育する現場では縞模様のコートが蚊対策として実施されていて、効果を発揮していたようです。(日本乗馬普及協会のX投稿より)

さらに、畜産の動物たちだけではなく、農家さんたちもいつも農作業中の蚊や虫に悩まされているとお聞きするので、今後はちょっと派手かもしれませんが、農作業用の作業着としてゼブラ柄の作業着が登場する日も近いかもしれません(!)。私も庭仕事の際は、とりあえず手持ちの白黒のボーダーの服でも着てやってみようかと思います。

今回の受賞で、日本は19年連続でイグ・ノーベル賞受賞者を輩出するという快挙となりました。

SNSでは、『日本人:「日本は没個性」、イグノーベル賞創設者:「どこがやねん」』という時事ネタポストが多くの共感を得ていました。意味としては、『日本人は没個性どころか世界の中で超個性的ですよ』というものですが、イグ・ノーベル賞の創設者自身が、日本とイギリスが受賞常連国である理由として、「多くの国が奇人・変人を蔑視するなかで、この両国は誇りにする風潮がある」という共通点を挙げているそうです(※3)。

私たち日本人は、とかく「個性を潰す社会」だと自らを批判しがちですが、実際は、誰も思いつかないような奇抜なアイデアを排除せず、むしろ「面白い」と受け入れる日本の土壌が、世界を驚かせ、そして救うかもしれない素晴らしい研究を生み出し続けているのかもしれません。私たちも、この柔軟で前向きな姿勢を、仕事にも活かしていきたいものですね。

今回の「シマウシ」研究以外にも、2025年のイグ・ノーベル賞は、本当に興味深い研究ばかりが選出されています。受賞者名が公表されている範囲で、全部門の受賞内容をご紹介します。

部門名研究テーマ主な受賞研究者・所属
生物学賞牛にシマウマ模様を描くと吸血ハエの付着が減少することを科学的に証明兒嶋朋貴 研究員ら(農研機構、愛知県農業総合試験場、京都大学)
文学賞35年間、自身と家族の指の爪の成長を粘り強く記録し、分析した研究(アメリカの研究者)
心理学賞「あなたは知的だ」と伝えるフィードバックがナルシシストなど人々の自己認識に与える影響を調査(ワルシャワ大学などの研究チーム)
栄養賞西アフリカ生息のニジイロトカゲは特定のピザ(4種のチーズピザ)をどれほど好むかを検証(ナイジェリア・イタリア・トーゴ・フランスの共同研究グループ)
小児科賞授乳中の母親がニンニクを摂取したとき、母乳の匂いと赤ちゃんの行動がどう変化するかを調査(シカゴ大学などの研究チーム)
科学賞テフロンを粉末化して食品に混ぜることでカロリーを増やさずに満腹感を得られるか検証(セントバーナバス医療センターなどの研究チーム)
平和賞少量の飲酒が外国語の会話能力を向上させる可能性があることを実験的に示した研究(マーストリヒト大学などの研究チーム)
エンジニアリングデザイン賞悪臭を放つ靴が下駄箱の利用体験に与える影響と改善策を分析・提案(インドの研究者)
航空賞エジプトフルーツコウモリがアルコールを摂取すると飛行能力と反響定位能力が損なわれるかを調査(コロンビア・ドイツ・イスラエルの研究チーム)
物理学賞パスタ料理「カチョ・エ・ペペ」のソースがダマになる物理的な原因とその防止法(マックス・プランク複雑系物理学研究所などの研究チーム)

ちなみに、イグ・ノーベル賞の授賞式も、まさにユーモアの塊です。受賞者には、ハイパーインフレ時代の10兆ジンバブエドル紙幣(価値はわずか0.03円相当!)と濡れたティッシュが贈られるとのこと。この何とも言えない遊び心と、「人を笑わせつつ考えさせる」というイグ・ノーベル賞の精神が、今回の「シマウシ」の研究と重なり、世界中を笑顔にしたのだと感じます。

エンジニアリングデザイン賞の「悪臭を放つ靴が下駄箱の利用体験に与える影響」に至っては、研究者自身の過去のトラウマでも見え隠れするようなシュールさがあって、本当に興味深いですね。

今回はイグ・ノーベル賞を受賞した、農研機構の研究「牛にシマウマ模様を描くと吸血ハエの付着が減少することを科学的に証明」についてご紹介いたしました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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