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作況指数廃止のメリット・デメリットとは?:農業・流通・消費者に与える影響をわかりやすく解説

2025年産米から、農林水産省が「作況指数」の公表を取りやめる方針を発表しました。70年にわたって続いてきた統計が突如として姿を消す――この決定は、農家や流通、小売関係者だけでなく、日々の食卓を支える私たち消費者にも少なからず影響を及ぼします。
農業に関わる情報を日々伝える立場として、また家庭を預かる一主婦としても、「これから、何を指標にすればよいのか?」という不安や戸惑いを抱かずにはいられません。
作況指数とは何だったのか?
作況指数は、毎年農林水産省が発表してきた米の生産量の見通しを示す指標です。10アールあたりの収穫量を過去30年の平均(平年)と比較し、
100が「平年並み」
95未満は「不作」
105以上は「豊作」
といった形で表現されます。
この数字を見て、農家は出荷計画を立て、流通業者や小売店は仕入れや価格の調整に活用してきました。私自身、米の卸売業に関わる方から「作況指数は米問屋にとって重要な指標」と聞いたことがあります。それだけ、現場の意思決定にとって重要な材料だったのです。
なぜ今、廃止?
2024年産米は「平年並み(101)」と評価されたにもかかわらず、市場では価格が上昇。農家や関係者から「実感と違う」との声が続出しました。また、2023年夏の異常気象によって新潟・秋田で品質や収穫量に深刻な影響が出ており、特に新潟では「一等米が3.6%に激減」という結果も報告されています。(出典1)
猛暑と渇水は新潟・秋田に深刻なダメージを与えました。秋田県では2023年産米の一等米比率が62.6%と歴史的な低水準に落ち込んだとの報道もありました。(出典2)
加えて、政府は事実上の減反政策を継続し、供給と需要のバランスを改善しなかったため、2025年には米不足や価格高騰につながったと分析されています。(出典3)
新しい仕組みに切り替わるのはいつ?
農水省は今後、AIや人工衛星、気象データを活用した新たな収穫予測手法を導入していくとしています。ただ、「それはいつから本格稼働するのか?」「具体的にどんな数値として示されるのか?」といった点は、まだ明確にされていません。
現場ではすでに、来年以降の見通しを立てるための“目印”が失われつつあります。
作況指数の廃止で現場はどう変わる?
■ 農家にとって
長年の“勘”と“数字”を組み合わせて経営判断をしてきた農家にとって、作況指数の廃止は不安材料となります。当面は、自分の圃場の収量予測をより重視せざるを得ず、地域全体の流れを読むことが難しくなるでしょう。
■ 流通・小売にとって
作況指数は、在庫調整や価格戦略の基礎データでした。それがなくなるというのは、需給バランスの判断が手探りになることを意味します。特に、異常気象や不作年が続くなかで、混乱を招くリスクも否定できません。
■ 消費者にとって
価格変動の理由が見えづらくなることで、「どうしてこんなに高いの?」という疑問が増えることが予想されます。すでにSNSなどでは、「米価の操作では?」「情報を隠しているのでは?」という投稿も見受けられ、不信感が募るきっかけになりかねません。

見直しは前向き。でも「透明性」が何より大切
作況指数そのものが時代に合わなくなってきたという指摘は、ある意味で正しいのかもしれません。ですが、これまで70年近く使われてきた指標を、明確な代替策がないまま廃止することに対しては、多くの人が不安を感じるのは当然です。
「新しい情報の仕組み」がしっかりと機能するまでは、廃止ではなく並行運用でもよかったのでは…という声もあります。統計は単なる数字ではなく、社会全体が判断の軸とする“共通言語”のようなものです。それが突然使えなくなるというのは、やはり混乱を招きます。
信頼される農業統計とは何か
食料自給率の低さ、異常気象、人口減少、そして国際情勢――日本の農業を取り巻く環境は、いま大きく揺れています。だからこそ、これからの農業には、技術や制度だけでなく、「信頼できるデータ」も必要不可欠です。
唐沢農機サービスとしても、こうした統計の変化に注目しながら、農業の現場と社会をつなぐ役割を果たしていきたいと考えています。
日々の買い物で感じる価格変動の違和感や、「この先どうなるの?」という不安に、少しでも答えられるような情報を届けること。食卓につながるこの変化が、より良い未来への一歩となるように――情報を選び、考え続ける姿勢を持ち続けたいと思います。
出典1(1等米が3.6%、3等米は50%超!? 2023年猛暑、新潟県産コシヒカリに何が起きていたのか!?)
出典2 (猛暑で秋田のお米がピンチ 1等米の割合が激減、東北全体でも低調)
出典3(気候変動は私たちの食卓も脅かす! 猛暑で日本の米はどうなってしまう?)
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