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2023/03/01

監査役の役割と業務内容について

法務担当・IPO準備室の町田です。

今回は、監査役の役割と具体的な職務内容について、紹介したいと思います。

1監査役の役割

日本国内において、企業に監査役の設置が定められたのは、明治23年に制定された旧商法です。

国内で初の株式会社が設置されたのは、明治6年の第一国立銀行(現みずほ銀行)ですので、監査役の設置は、株式会社の設立とほぼ同時期に制度化されています。

このことから、監査役は、株式会社の運営にとって重要な役割を与えられているといえます。

2 監査役の選任方法

監査役は、取締役と同様に株主総会による過半数決議により選任され、契約関係は、委任契約となります。

取締役会を設置した会社の取締役は、少なくとも3人必要となりますが、監査役は1人いれば法律上の要件を満たします。

法律上は、人数制限はありませんので、監査役を何人も選任することが可能です。

3 具体的な職務内容

監査役の主な任務は、取締役による会社経営について、各取締役の業務執行や、会社全体の業務運営が適法かどうか、事業上とっているリスクが過多になっていないかどうか(妥当性)について、調査を行い、自らの監査意見を付して、株主総会に報告することになります。

上記任務を全うするために、監査役は、業務マニュアルが適法かつ妥当な内容になっているかどうか、また、社員による各業務遂行がマニュアルを遵守しているかどうかについて、調査を行います。

監査役の職務は、一般的に1会計期間を通じてスケジューリングされています。

まず期首に監査計画を立案します。

監査計画では、同業他社や社会情勢を鑑み、重点的に監査する項目を含めて、立案します。

例えば、近年では、長時間労働、個人情報の流出漏洩、企業の機密情報の漏洩などが社会問題となっていますので、これらの点について、充分な対策が講じられているかどうかについて、重点的な監査項目とすることが考えられます。

その後、監査計画に従い、各項目ごとに監査を行い、株主総会までに監査報告書を作成します。

4 まとめ

以上が監査役の任務になりますが、監査役が充分に上記任務を全うしている企業は少数といえるでしょう。

一般的には、会計責任者を務めた従業員が、定年後または定年間際になり、監査役に就任します。

そのため、監査は、形式的に行われているものが多く、監査の本来の目的を達成できていない企業が多いです。

日本国内のこのような状況は、従来から国際社会からも問題視されてきました。

このような批判をうけて、近年、国内の大企業では、社外から招聘した社外取締役を設置して従来よりも監査体制を強化して組織構築する企業がスタンダードとなりつつあります。

今後、中小企業においても、このような流れに逆らうことはできないと考えられます。

監査は、時として企業の経営スピードや業務の処理スピードを遅らせてしまうこともあります。

しかし、自社がとっているリスクを客観的に評価して、リスク過多の場合にはブレーキをかけることで、リスクが顕在化した場合の損失を回避したり、損失額を少なくすることが期待できます。

このことは、企業が継続して収益をあげることに繋がり、その結果、企業価値を高めることが期待できます。以上より、企業価値を継続して拡大していくには監査役の役割は不可欠なものということができます。

今回は、監査役の役割と業務内容について、紹介しました。

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