国際協力と参加型開発について。

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2023/05/30

皆さんこんにちは。
ノウキナビ事業部サービス担当北村です。
今回は国際協力と参加型開発について書いていきたいと思います。

皆さん、参加型開発ってご存じでしょうか。
参加型開発とは簡単に説明すると開発される側（現地の住民）も参加して一緒に開発を進める事です。
国際協力の業界で主に使われており、
最近では国際協力での開発プロジェクトが参加型かどうかが物凄く重要視されるようになりました。
昨今のSDGsのような感じで企業などがSDGsに貢献しているのかが評価に繋がってくるように、
国際協力の開発プロジェクトが参加型で無いと評価が低いというよりプロジェクト自体が出来ない状態になる事もあります。

参加型開発の起源はどのような開発をおこなえば良いのか決める際の調査方法１のRRAから2のPRAを経て３のPLAへ発展してきました。

1　RRA

RRA（Rapid Rural Appraisal)とは、簡易社会調査と訳されることが多いです。RRAは基本的にデーターの収集を目的として、
これまで見過ごされた情報源として地域住民の知識に注目しそれを外部者（開発する側)が抽出します。
そして外部者（開発する側）が必要とする情報を抽出する手法がRRAになります。
1970年代後半頃に今まで専門家が決めていた開発プロジェクトに地域住民の知識も取り入れ、
数多くの開発計画や開発プロジェクト、出版物が出されました。

2　PRA

PRA（Participatory Rural Appraisal)とは、上記の1970年代後半頃に農村調査のために開発されたRRA（簡易社会調査）の手法をもとに、
住民自身の参加の観点を加えた農村調査の手法として発展したものです。
PRA で用いられるさまざまな参加型ツールは、人類学や社会学などの分野において培われてきた
フィールドワーク手法やアクションリサーチなどの調査手法等を、
より簡易に手軽に使いやすく修正したものです。
ここで開発される側（現地の住民）が参加できる開発プログラムが調査されます。

3　PLA

PLA（参加型学習行動法＝Participatory Learning and Action）は、農村調査の方法という観点からさらに進めて、住民自身が自ら課題を発見して問題を解決するまでの一連のアプローチと方法のことです。
ここで学習という概念が入ります。これは開発される側（現地の住民）と一緒に学習して何をするか決めます。
皆さんは、住民と一緒に学習して決めて開発するのはそんなに難しくないと思いますか。
実はPLAを開発の現場で実践することは非常に難しいようです。
なぜなら、「参加型」を語りながら、実態は「参加型でない」開発が多いからです。
森林の専門家なら自分の専門分野の木を植えたいし、農業の専門家なら畑を耕したい、
最初から開発が決まっている事が多いです。その為、縛りが出てきて来るため、開発される側（現地の住民）の本当に求めるものとは違った物になる場合が多いです。

次回はもう少し参加型開発の事を書いていきたいと思います。