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2022/06/01

株式の上場について詳しく知ろう

経営推進部の法務担当・IPO準備室の町田です。 

今回は、上場について詳しく執筆したいと思います。 

上場とは 

上場とは、自社の株式が公開市場で取り扱われることを意味します。 

通常の会社(非上場会社)の場合でも、株式は自由に譲渡することができます。

ただ、売主である株主は、買い手を自ら探すしかありません。 

そのため、頻繁に株式を売ったり買ったりすることはできないということになります。 

しかし、自社の株式を公開市場で取り扱われる(上場)ようになると、株式の売り注文と買い注文が一般公開されるため、即時に購入や売却することが可能で、原則として誰でも自由にいくらでも株式を購入する ことができるようになります。 

株式の売買を行う者を一般的に投資家(個人投資家・機関投資家)といいます。 

投資家とは 

投資家は、会社の成長を期待して購入し、株価が上昇した時点で、売却することによって利益を獲得します。 

投資家は、株式を売却することによってはじめて利益を獲得できます。買い手がいなければ売ることはできません。そのため、投資家は、常に買い手が多く存在する状態が最も望ましい状態と考えています。 

「投資家の思考 → 将来、この株式を欲しいという人が多くいるかどうかを考えている 」

株式市場の運営者 

株式市場を運営するのは、証券取引所です。国内には、(株)東京証券取引所や(株)大阪取引所 などがあります。 

証券取引所は、株式の売買を成立させるという業務を担っています。 

証券取引所は、株式の売買の際の取引手数料が収益になるため、証券取引所にとっての顧客は、取引をしてくれる者つまり投資家です。 

投資家に予測できないような損失を与えるような企業の株式は取り扱いたくないでしょう。

そのため、証券取引所に自社の株式を取り扱ってもらうには、厳しい審査を得なければなりません。これ は、欠陥商品を市場に出さないことを意味します。 

このように、証券取引所は、顧客である投資家が正しい投資判断を行い、予期しない損失を被ることがないように、上場会社に対して、会社の業績を正確かつ迅速に公開することを厳しく要求し ています。 

その一例として、上場会社は、財務諸表を3か月毎(四半期毎)に開示しなければなりません。

ただ、財務諸表は会社内部で作成されるため、会社は業績悪化を隠すため、不正な会計処理を 行い虚偽の財務諸表が作成されるというケースが後を絶ちません。 

近年では、年間50社以上の不正会計が発覚しています。 

特に日本の会社の場合、創業者一族が筆頭株主となっているケースが多く、一部の人間に多大な権力が集中しやすく、不正につながりやすいという環境下にあります。

そのため、審査基準は、年々厳しくなっているのが現状です。

投資家の信頼の確保

投資家は、会社が開示する財務諸表などの情報をベースに投資判断を行うため、財務諸表が正確であることは大前提で無ければなりません。 

そのため、財務諸表の基礎となる日々の取引や業務処理に不正がないかを監視する監査役や社外取締役等の設置を義務付けることによって、役員による不正や従業員による不正を防止し、 財務諸表の信頼性を確保する必要があります。 

上場会社に求められることには、コーポレートガバナンス(統治機能)、内部統制機能、適切な会計処理、コンプライアンスなど、多くの要素がありますが、これらは、すべて投資家からの信頼を確保するために必要なことになります。 

投資家から信頼されない会社は、新たな買い手がいないため、株価は低迷することは避けられません。株価が低下し続けると上場廃止となる可能性もあります。 

また、企業は、新株を発行して資金を集めたい場合にも買い手がいなければ、資金を集めることもできません。 

他方で、投資家から信頼される企業は、新たな買い手が現れるため、株価が上昇しやすくなります。これにより、企業は、公募などにより新たな資金調達が可能となるため、事業規模の拡大、 利益の拡大につながります。 

まとめ 

株式市場に上場された企業であっても、投資家からの期待や関心が低く、株価が低迷し、上場廃止を余儀なくされる企業も少なくありません。 

株式市場へ上場することは、事業規模と利益を拡大するための手段といえます。 事業規模を拡大していくには、上場後も、絶えず投資家からの期待に応えて信頼を得る必要があるといえます。 

以上、今回は、株式の上場について紹介しました。

 

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